殺人事件のないミステリー?

 こんな本を読んでみました。

週末のセッション (ミステリ・フロンティア)

週末のセッション (ミステリ・フロンティア)

 それなりに世間で成功している?男たち四人が些細な失敗から多額の負債?のようなものを抱え込む事になり、それを順繰りに見ず知らずの他人から奪おうとして、輪になっちゃって、結局誰も損得しないという、そんな話?
 ストーリーのしまりとしては、ちょっと緩いかなぁと思いますが、どの男たちもアタフタと慣れない詐欺行為を行い、大騒ぎをした挙句になんでもなかった?みたいなラストが、クライム・コメディとして面白かったです。
 ただ、四人をほぼ平等に扱った結果なのか、軸になるというか物語の要になる男の存在がちょっと弱くて、そしてその男たちの影で伴侶である女たち、あるいは伴侶だったけど男から離れていく女たちの活躍で?物事が大事にならずにすんだってところが、ちょっとアレかなぁと思ったりしたり。
 読んでいる時に平行して『名探偵ポワロ』のドラマを見ているのですが(現在進行形)、ポワロのドラマはユーモアが漂う作品が多く、人が誰も死なない話や、盗品の話などが結構たくさんあります。
 でも日本のサスペンスものって、人が死なない話って、年に一度作られるくらいぢゃない?まぁ三谷幸喜さんは結構つくっているけど、そういうユーモア溢れる喜劇ものがTVドラマで作られるといいのにねぇ、と思ったりしたり。