読み終わったもの

 三部作完読しますた。

長恨歌―不夜城完結編

長恨歌―不夜城完結編

 一作目の主人公が新宿闇のシステムになり、何もかも牛耳ってしまったところから始まります。それなりに頭が良く、かつ臆病な人間を自分の片腕にするべく、失敗したらそれまでよ、という気持ちで動いていたのですが、自分と同じように愛する者を自ら殺した人間をその条件に当てはめるところが拘り過ぎるというか、何と言うか。
 結末は、主人公の死、そして彼を死に追いやった三作目の主人公が愛する者に殺されるところで終わっています。またその者が新宿の闇を支配するのかどうなのか、解りませんけど。
 なーんか、知りもしないのに闇の世界を覗いて知識を溜め込んだ気分になりましたよ。
吾妻鏡の謎 (歴史文化ライブラリー)

吾妻鏡の謎 (歴史文化ライブラリー)

 亡くなった研究者が思いつくまま、つれづれに『吾妻鏡』に対する疑問とか、おかしいところとかを書き綴ったもので、謎を提示しても解明していないところが、アレなんですがね・・・
 新しいのは、鎌倉幕府成立の時期を朝廷から官職とか役職とかを与えられた時に求めるのではなく、源頼朝南関東の武士たちに推戴された1180年十二月に求めるべきだということ。それこそが関東の武士たちが、京の朝廷とは異なる自らの政体?連合体?を作り出そうとした契機なのだから、というところが、なるほどと思いました。
 源頼朝の権力は朝廷の権威に裏付けられたものではなく、彼と関東武士との契約に基づくものなので、確かに朝廷は関係ないよな、と思ったりしたり。
 しかしどっちかというと息抜きみたいな感じ読むのが正しい本かなぁ・・・