中国の言い分

 金曜日の夕刊に、尖閣諸島の問題がこじれた後に開かれた日中の学者による学会で、中国人学者はこんな事を言っていたらしいです。「尖閣問題は棚上げになっているはずだ。何故それを顕在化させるのか」みたいなこと。
 どうも日中国交正常化の際に田中角栄周恩来のやりとりで、「これは容易に解決できないから、とりあえずこっちにおいて、他の合意できる事で条約結びましょう」っていう事が発端らしいです。恐らく、アメリカに中国との国交正常化ついて先をこされたので、日本側もアメリカへの存在感を示すためにも急いでいたのかも知れません。中国にしてみれば中ソ対立の時代ですから、西側とのパイプを早急に強くする必要があったのでしょう。
 つまり双方に急ぐ理由があったという事ですが、今の日本政府って自民党から政権交代した民主党ですよね?田中角栄時代から現在までどれだけその事情を知っている人が自民党内にいるのか知りませんが(公的発言を見る限り知らないか無視しているようにも見えるが、まぁ政治家のいう事ですから)、もしかしたら今の野田政権とは断絶があるのかも知れません。
 それよりも何よりも、国有化の話は国土交通省民主党から持ち込まれて動き、外務省は知らないか、知らないふりをしている可能性があるなーっと思ったりしたり。石原都知事が東京都による取得を持ち出して以来、日本でも尖閣諸島の取り扱いに注目が集まっていますからネ。地下資源の問題は中国がやり始めた事ですが。
 中国政府の本音は、ややこしい領土問題は棚上げのままで、地下資源開発をしたいところですが、領土問題が解決しないと資源の取り分なんて決定できる筈もなく、考えてみれば虫のいい話をしているなーっと思うのですがネ。
 資源開発は出資、技術提供を考えてイーブンにした方がいいと思うけど、もはや両国世論はそんな妥協を了承するとは思えない感じになってきているし、さて、どうなるんだろう?
 問題なのは民主党政権は、ちゃんと火消しを用意して国有化に踏み切ったのかどうか、というところ。中国にどんな『飴』を用意したのか、外務省が噛んでいなかったら『飴』なんて用意されておらず、問題の長期化も考えられます。日系企業の工場もストが起きているようですし、中国から生産拠点を撤退する、なんて選択肢も現実味を帯びてくるかも知れませんネ。
 うちの繊維業界は半分中国、半分東南アジア諸国、みたいな感じになってきています。とはいえベトナムも工賃が値上がりしてきているし、ミャンマーはインフラの問題とマラッカ海峡の西側という運賃コストの問題があります。最近インドネシアダンボールケースが多くなっているような気がするので、そちらへシフトしつつあるのかな?
 うーむ・・・