反日デモとか

 先日中国で荒れ狂った反日デモをTVとか報道で見たり聞いたりしていながら、妙に落ち着いている、というかあまり恐怖とか、憎悪とか、そんな感情が自分の中にわいてきていない事に気がつきました。あるのは「またか」という呆れ、諦観みたいなもの。
 もし反日デモというのが草の根的な運動であるならば、反日記念日の九月十八日以降、ビタリとなくなる事はないんじゃないか?という考えが頭のどこかに貼り付いています。
 どうしても中国という国家の諜報部みたいなところが発令所、資金源になり、活動家と称する危ない連中に指示してネットに情報を流し、デモを企画運営したように思えてならない。一般の参加者は日頃の鬱憤をとがめられずに暴力的に発散できるいい機会だとばかりに、レジャー感覚で石を投げている、みたいな。
 尖閣諸島問題をこじらせると、日本が慌てて資金をくれたし、大衆的には不満発散のはけ口になってくれるという、中国の国家にとっては一石二鳥の手だった訳ですが、ざっと被害にあった日本関係の企業、商店、飲食店を見ていると、報道されている限りは日本人ばかりでなく、中国の人の結構多いです。というか経営者はともかく、現場の人間は圧倒的に中国人が多いと思う。
 日本の経済力が低下し中国のそれが上昇したとしても、経済的な結びつきは年々強くなるばかりだし、生活に大した不満のない、尖閣諸島に対して感心のない中国人は、デモというものに対して醒めた目で見ているような気がします。もちろんそういう人は少数派でしょうけど。
 韓国の大統領も、任期最初は経済力のある日本との友好を強調し、人気が低落した任期末期になると竹島の問題を持ち出し対日批判をして支持率をあげようとしています。でも上昇した支持率は10%。大半の韓国の人は、問題はそんなところじゃないと思っているのかな?
 もちろん、領土問題は各国政府の面子の問題でもあり、漁業権や地下資源の問題であり、一朝一夕で解決したり、日本に都合よく解決できるものでもありません。
 本当に解決したいと思うならば双方が妥協点を見出す努力をしなければ無理ですが、中国も韓国も、日本以上に本音が見えにくいお国柄、人柄ですから難しいです。
 ただ、反日暴動に頼った政治運営を行うのは段々危ないんじゃね?とか他の国の事ながら思うのですよ。ガス抜きに頼ると人々が本当に望むものが見えなくなる。ソ連の歴史をちょろりとかじったら、そんな気持ちが強くなりました。
 中国の政治は本質的に「奉納芝居」であり、底辺で生きている人たちは「税金を払うから俺たちのやる事に口出しするな」が基本的態度。自立的な社会によりかかった寄生虫みたいな感じでした。そして本気で支配を及ぼそうとするとしっぺ返しをくらい、重税を課せられると反乱がおき、王朝転覆という事態になる。経済格差と貧富の差の是正を的確に行い、輸出に頼らない経済構造を構築してこそ、安定すると思うのですが、まぁ日本にも言える事ですよねー・・・輸出に頼らない経済構造なんて、無理ですよネー。
 地球が一つの経済圏として円滑に運営されるようになると、簡単に紛争など起こせなくなるので、世の中の武力闘争が減るとは思うのですが、口で言うのは簡単でも皆が参加できるグローバル・スタンダードなどなかなか見つからない。
 東日本大震災を被災した直後の、外国人が目撃した日本人の態度が、なんらかのテーゼになればいいと思うのですがネ。