いい天気は今日まで
出来心でDVDのリージョンコード1のもの、つまり北米仕様版のDVDを買ってしまったのですが、当然手持ちの機材では「地域が違います」で再生不可。さーて、これをどうしてやろう?と考え中です。買ってから考えるバカです。はい。
それとは別に読み終わったもの。
- 作者: エレーヌ・カレール=ダンコース,志賀亮一
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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大帝と言われるピョートル一世の後を継いだのは、彼の後妻、西欧的な考え方からすれば一夜妻扱いの(つまりやり捨てになってもおかしくない)農家の娘で洗濯婦あがりのエカテリーナ一世。そして本の主人公エカテリーナ二世も、こちらはドイツの小国の公女ですが、血縁的にも人種的にもロシアとは縁も縁もない。
即位のいきさつはプロイセンべったりの夫ピョートル三世に不満を持った勢力が(七年戦争で勝利しているにも関わらず、無条件でプロイセンから撤退したとか、国益をまったく省みない行為をしている)クーデターを起こして彼女が皇位についたというもの。
しかしドイツ人である事を宗教も含めて捨てた彼女は、その三十八年の在位期間に、現在のロシアの原型をつくりあげました。帝政ロシアを完成させた人物とも言えます。
そして政治家である同時に生涯女であり続けて、幾多の愛人とのロマンスを繰り広げたという・・・ある種、女として全てを経験したような人。女性の権力者は政治家よりも女である事をとり、愛人となった男のいいなりになるパターンがよくあるのですが、この人は例外ですネ。財産はやる。でも能力がなければ権限は与えないという、極めて理知的な対応。
しかし彼女にも弱点があって夫に似てしまった息子パーヴェル。徹底的な意趣返しを死後にされましたが、パーヴェルは五年後に暗殺され、ナポレオン戦争の多難な時期は彼女の孫アレクサンドル一世に託されます。ナポレオン戦争を戦い抜いて、ロシアは完成した、といえるのかなぁ。
ただ外国の方の文章を直訳に近い形なので、読みにくいこと。言い回し違うし、まぁ仕方ないのかなぁ。