肌寒い日々

 昨日は稼業である作業服業界の展示会にいってきたのですが・・・まぁ秋冬ものの展示会なんでね。新商品の話とかする訳ですが、涼しすぎて夏物の動きが悪いという話になる訳ですよ。暑すぎるのもアレですが、涼しいというのも農作物の育成に影響があると同時に、衣料関係者にとっても真綿で首を絞められるよーな感じ。
 早く暑くなってくれんかのぉ・・・
 それとは全然関係ないのですが、読み終わったもの。

北魏胡族体制論 (北海道大学大学院文学研究科研究叢書)

北魏胡族体制論 (北海道大学大学院文学研究科研究叢書)

 中国の南北朝時代華北を統一した拓跋族の王朝、北魏の事をちょろりと書いたもの。遊牧民の立てた王朝ですが、洛陽に遷都するまでは征服した遊牧民たちを皇帝の下に再編成して、漢族とは別個に支配し軍事力として活用していたこと。
 洛陽に遷都した孝文帝は自分の兄弟たちの権限を強化して、遷都を実施したこと。しかし遊牧民たちとの軋轢、矛盾を解消する事ができず、王朝崩壊を招いたこと。
 北斉北周という北魏を直接継承した王朝はもとより、隋、唐といったその後の統一王朝でも、北人、つまり遊牧民の出自である事はステイタスであり、一種の特権視されていたようです。
 昔は隋とか唐は漢人の政権と見なされていたのですが、今では隋の楊氏、唐の李氏ともに北方遊牧民の系譜を引く人たちであり、彼らの初期政権を支えたのも北人たちで、唐の国際性というのもたぶんにそこから来ているようです。
 中国は四千年前から変わらないとかいうのは時代遅れも甚だしい見解であり、始皇帝が始めた中華帝国も漢朝では変質していますし、同じ漢でも前漢後漢では別の国家体制といっても過言ではない。
 現在の中華人民共和国という元首が世襲制ではない『中華帝国』の系譜は北宋の時代に始まったと言ってもいいのかな。ただ言論統制は政府関係者に限れば公的に儒教を信奉していれば私的に何をやっていようが構わない昔の王朝に比べると厳しくて陰惨な気がしますけどね。
 こんな事を書いて刺されないかしら・・・ドキドキ・・・