良い風呂の日・・・

 4/26はそういう日だそうです。そうですか・・・いつも聞いているFMラヂヲ局はそんな感じで、明後日公開の映画、古代ローマ現代日本をつなげた・・・ええっと、アレ、題名忘れた・・・の話題で一杯らしいですよ?
 あっしもお試し立ち読みしてみましたが、原作のマンガをね、一話読んでお腹一杯になったので、もういいや、と(オイ
 そういうつながりぢゃないけど、昨日読み終えたもの。

アテネ民主政 命をかけた八人の政治家 (講談社選書メチエ)

アテネ民主政 命をかけた八人の政治家 (講談社選書メチエ)

 古代民主政のチャンピオンと目されるアテネですが、その歴史は僅かに百八十年。しかも初期は貴族的な血筋、財力、指揮能力が問題にされ、徒手空拳のアテネ市民権しかない人が国政のトップに上り詰める事はなかったという・・・そりゃまぁそうですが。
 前に塩野七生さんのローマ人の物語で、ペリクレス統治時代のアテネ全盛期にローマ人は使節団を送ったけど、アテネの国政を模倣しなかった、と書いていましたが、最初はへー、と感心していたのですけど、この本を読んだら当たり前だ、模倣する必要性もないって解りました。
 ペリクレス時代までアテネ門閥貴族が民主的手続きで政権を担っていたようですし、ローマだって氏族の有力者が間接とはいえ投票で要人を決めていた時代でした。直接民主制を徹底する為に、両親ともにアテネ市民権を持っていなかったらアテネ市民権を得られないと決めた閉鎖的な制度は、周辺諸都市をローマに合流させる手法で(対等合併というヤツ)力を伸ばしていた新興都市ローマとは相容れないものでした。
 日本では弁論術はあんまり重要視されていなくて、かつて小泉純一郎氏がそういう手法を取り入れた時、政界の反応は芳しくありませんでした。今の政治家にもそういう人は・・・皆無じゃね?
 だからアテネの民主政は教科書で習ったけど、実体は知らんという・・・まぁオイラもこの本を読むまでよく知らなかった。
 面白いのはアテネは民主政時代はギリシャ世界の覇権を争い、一年として平和な日々はなかったけれど、カイロネイアの戦いでマケドニアに破れてマケドニア覇権下に入って初めて平和な日々を得たという・・・民主政と平和は、あんまり関係ないよね、という感想を持ちました。