土日はお泊りコン

 先週末は日頃お世話になっている『幻想世界のTRPG空間』さんのお泊りコンベンションに参加してきました。TORG卓に参戦。二十年ほど前に出た日本語訳のロングキャンペーン『力の遺産』を二日間に縮めてやるという力技のセッションでした。
 TORGというゲームに参加する人は、何と言うか、格好いい妄言を吐きたい!!っていう人が多いのかなぁと思いながら、私はチャラい吸血鬼でプレイ。PTの皆さんからは「断じて吸血鬼じゃない」「なんちゃって吸血鬼だ」と言われましたがキニシナイ。いや、ほら、格好いい事言うよりも、皆に「なんじゃ、そら!!」と笑ってもらう方が好きなので、はい。
 TORGというゲームは地球上の様々な地域が部分的に多次元に侵略されて、そのだけ何もかも変わってしまっているというパッチワーク状の世界観でありまして、例えば北アメリカは部分的に原始時代のようでトカゲ人が闊歩していたり、マレーシアあたりは19世紀イギリスのホラー世界であり、エジプトはエジプト人に何の断りもなくアメコミ世界になり、ヨーロッパ大陸側はサイバーパンクな狂信カトリックみたいな世界、イギリスと北欧は剣と魔法、光と闇のファンタジー空間、そして日本は士郎正宗さんのマンガの影響だなっ!!というハイテク企業が支配する世界になっています。
 その各地のヒーローが力を合わせて地球を又に駆けて冒険をし、世界を救うという・・・しかしラストを見る限り、救っているのかどうかのか解らなかったにゃ。諸世界の侵略者であるハイロードが何故、その遺品を求めたのか、ちょっと理解できなかった。他の世界にメールボトルを流すような道具で、すぐにどうにかできるようなものじゃないし・・・ねぇ?
 しかしそれはそれ、皆さん手馴れたPLさんばかりだったので、感動的なラストになりましたよ。面白いなぁ。自分ですか?いいこと言いましたよ?「人は一人じゃない。お互いに助け合って生きていくものだ!!・・・俺は吸血鬼だけどネ」
 いや、この台無し感が大好きでたまらぬ・・・ふふふ・・・ダメですネ。
 そして読み終えたもの。

 室町幕府というのは、鎌倉幕府のような貴族性の影をひきずったものでもなく、江戸時代のように強力な指導力をもったものではない、有力守護大名の連合体であり、それを克服しようとした室町将軍の野望と挫折が戦国時代という状況の原因みたいなお話。まぁそもそもは足利義満の時代に頂点を迎えながら、それを発展的に、将軍の専制を行える体制に移行できなかった事が問題で、その原因は三代義満と四代義持の断絶にあるのではないかと思えます。史学的には両者はそれぞれの形で室町幕府の存在感を強化したと言えますが、将軍というか足利家督者である『室町殿』の権力を強化した義満に対して、守護大名の合議に比重を置いた義持の政策上の断絶が大きい気がします。
 これは義満に原因があり、自分が早々に幼い義持に将軍位を譲り彼を後継者と定めながら、最晩年には義持ではなく義嗣を後継者にしようと動きます。そうなると義持としては父親とは違う勢力を自分の権力基盤にするしかない。何があるかといえば、てっとり早いのは義満の室町殿専制に反感を持つ守護大名たちであり、実際、義持は守護大名たちの支持によって権力を握ったようなものです。その彼が自分の志向もあるのでしょうけど、父親の政治路線に否定的に動くのは仕方がない事です。
 そして、義持自身も息子に政策継承を委ねる事ができず(五代義量は病弱で早世。酒毒によると言われています)、弟の義教を籤引きで選んで後継に据える、という手順を取らざる得ませんでした。そして義教は兄ではなく、父の政策路線を取りますが、自分自身にそういうカリスマや政治権力の源泉なるものがある訳でなく、また恣意的に守護大名や貴族の家督争いに介入した為に、当事者としては唐突に介入される為に「万人恐怖」という状況になってしまいました。彼を殺した赤松満祐との間も最初は悪くなく、却って信頼されていた様子なのですがね。(皇位継承の際、後継者なく危篤となった称光天皇の後継者として秘密裏に伏見宮の皇子を東宮に義教は立てたのだが、当時南朝の残党も皇位を狙っており、不測事態が起こる可能性があった。その伏見宮の皇子彦仁を警護したのが赤松満祐。秘密に行わなければならないのだから信頼できる者にしか任せられない)
 専制=恣意と勘違いしたところが義教の失敗なのかなぁ・・・とかネ。