気を取り直して楽しいこと

 自分にとって楽しい事とは本の事だったりしますが、月曜日に二つ買いました。二つとも自分にとってはあたり〜

 この方々のMS戦闘はむっちゃ格好いいです。物語もサスペンスタッチで好みです。というかガンダムのアニメーションでもこういうテイストのものをつくってくれないかと思うのですよ。前回のギレン・ザビ暗殺の話もそうでしたが、ガンダムものに加える新要素はサスペンスなのではないかと思ったりしますよ。はい。
 次巻も楽しみですナ。
 しかし・・・ジョニー・ライデン、本当に正体不明なのね。こんなに『ジョニー・ライデン』を名乗る連中がいるとは。『ギレンの野望』に出てくる彼がそれだと思っていたから・・・意外だ・・・。 はーい、あの世でーす。伝奇ものなら一度は出てきますねー。誰もが恐れるアレが支配者の世界なのに、とっても牧歌的ですよー。主人公が現世に引き戻される方法が乱暴というか猟奇的というか、惨殺というか・・・まぁアレですよ(ナニ?
 主人公が罪なヤツである事も確定しました。うわーい。この展開は好物でっす。にやり。
鎌倉幕府の滅亡 (歴史文化ライブラリー)

鎌倉幕府の滅亡 (歴史文化ライブラリー)

 表題どおり、戦に敗北した事がなかった無敵の鎌倉幕府が何故あっけなく、本当にあっけなく滅亡したかの理由を述べた本です。
 なんかもやもやしていたものをはっきりくっきり述べてくれたという感じの内容。
 幕府と藩が両立していた江戸幕府はもとより、守護大名により国単位の領国化が進んだ室町幕府に比べ、鎌倉幕府は中央集権が比較にならないほど進んだ・・・というか、元から中央しかなかった組織でした。関東の源頼朝の家来である御家人、彼らの存在を保護し利益を確保するのが鎌倉幕府であり、彼らはその御家人という一部の侍身分の為の組織でしたから、本来、朝廷やその管轄である西国はまったく支配下にはなかったのです。しかし御家人の既得権を犯した朝廷が承久の乱を起こし、それを打ち破って朝廷の統治能力を弱体化させた瞬間から鎌倉幕府は全国統治せざる得ませんでした。
 ところが鎌倉でそれを一元的にやろうとしたものですから、空間的にも事務処理能力の上でもムリ。全国の訴訟、裁判を東京の最高裁一箇所で裁こうといっているようなものですからネ。
 北条時宗の時代に室町幕府守護大名的な権限を守護に持たせようとする試みが準備されました。関東の武士だけでなく全国の武士を御家人身分にして侍身分の中での差別を無くし、国単位で訴訟を処理させようとしたみたいな。
 これは自分の守護国上野で守護大名的な、国人領主を家臣化する事に成功していた時宗の舅安達泰盛との協力で行われる予定でした。弘安の徳政と呼ばれるものがそれでしたが、残念ながら蒙古の侵略を撃退した、権威ある独裁者時宗は、恐らく過労でしょう、四十前の若さで亡くなりました。
 残ったのは改革派の安達泰盛とそれに不満を持つ既得権益保持者。つまり幕府の特権的な上層構成員。彼らを調べると鎌倉にしか拠点を持たず、しかし全国に領地、荘園が点在する、京の公家のような存在。つまり武士が公家化しているのですネ。
 改革派と反対派は霜月騒動で激突し、安達泰盛は破れ、改革派は根こそぎ抹殺されます。幕府上層部の四割が死ぬという大惨劇。
 その後の鎌倉幕府は権限をひたすら集中し利益を吸い上げていく北条氏を始めとする特権支配者の利益を守る存在になってしまいます。
 後醍醐天皇は本来その立場にないのに自分の息子に皇位を継がせる為に、無謀な倒幕を計画した、はた迷惑な存在なのですが、その支持者がゲリラ戦を御家人相手に戦い続けていきます。ゲリラは負けなければ勝ちです。泥沼の長期戦。御家人手弁当でその戦いを続けて、ふと気づく訳です。俺たち何の為に戦っているんだっけ?
 幕府って俺たちを守る為にあるんだよね?でも儲けているのって鎌倉にいる連中だけじゃね?ふざけんなー!!
 とこうなったと。全国の侍の一部である御家人、その御家人のさらに三パーセント前後しかいない特権支配者。彼らだけが倒すべき相手となれば、そりゃあっという間に滅亡ですわな。
 これが正しいのかどうか、それは判りませんと著者の人も書いていますが、しかし北条氏が腐敗したから、なんていうステレオタイプの説明よりもよほど説得力があって面白かったです。
 こういう出会いがあるから読書はやめられぬ・・・