梅雨は過去の事ですか?

 むっちゃいい天気です。くそ暑いけど気分がいいです。相変わらず眠いですが。
 読み終えたもの。

パワー (西のはての年代記 3)

パワー (西のはての年代記 3)

 パワーという表題が何を意味するのか考えさせられる本です。主人公は暴力的な力に恵まれている訳でもなく、予知夢のようなものを見る事ができる奴隷でしかないし、最初は奴隷である事に疑念を持っていませんでした。居心地のいい場所でしたし、愛する姉もいたので。
 しかし主の家の下の息子と、そのおつきとの関係が悪化してから彼の運命は変わっていきます。上の息子の愛妾となり相思相愛の仲になりながら、その上の息子が留守の間にどうやら下の息子とそのおつきに殺されてしまう姉。
 姉を失い、茫然自失になり、抜け殻のような状態になって世間を放浪する主人公。彼の特技は一度覚えた物語、文章を消して忘れない、というもので、特に生きていく事に役に立つという訳でもなく・・・ただ、伝え聞いた大学都市にいる最初にエピソードの主人公、詩人として名声を得た彼の元へ旅を続けます。
 お話は彼の元にたどり着いたところで終わり、このシリーズは一応の完結だそうです。作者のお歳を考えると続編が書かれる可能性は低いですね。
 パワーとは力、権力を意味する訳ですが、それに翻弄された青年の話という意味なのか?不吉な予知夢に悩まされる事を意味するのか、これこそ読む人それぞれの感想でいいのでしょう。
 相変わらず・・・これって、中高生に味わえる話なのかなぁ、と思いましたねぇ。