週末ヤバス
明日は一日中雨、日曜日も曇り時々雨・・・文学フリマには傘を持っていかなくちゃなりませんネ。はい。という事は最寄駅まで二十分、歩いていかなきゃならないのか、雨の中・・・トホホホ。
そして読み終えたもの。
- 作者: 井上寿一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/18
- メディア: 新書
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戦前は外交畑の官僚出身であり、欧米との協調を重んじ、その上で大陸での権益を拡張しようとしていましたが、ナショナリズムの嵐の前に挫折。日本の敗戦を歓迎し、1920年代の『自由な』日本の復活を目指しますが、現実は無条件降伏による過酷な米軍支配への抵抗と妥協の日々でした。
岸信介は統制経済と軍事力を持った独立国・・・戦前日本と大して変わらない体制を志向したようですが、吉田茂は自由経済と国際協調を志向します。その為には軍事力なんて最低限で構わない。
結果として現在の日本は吉田茂路線を今も走っている訳ですネ。
面白いのが今は護憲を叫ぶ共産党が、戦後直後はソ連の関係なのか非武装、平和憲法に反対していること。ふーん、変わるもんですな。
吉田茂自身は保守的な人間で、天皇制を崩すつもりもなく、政治家になるにしても「金集めはしねぇ」という倣岸な人。マスコミ嫌いで、奥さんが亡くなった後、愛人を自宅に迎え入れた時にしつこく取材した記者に立腹して水をかけたとかなんとか。
政界を引退した後も結構元気に過ごしていたようで「長寿の秘訣は?」と聞かれると「人を食っているから」と答える。
長期政権を担っていましたが、与党が単独過半数であった事はなく、全部連立でやっていたという・・・日本の政治ってそんなに変化していないのね、と。そういえば長期政権できた人って数えるほどしかいないですねぇ。戦後だと吉田茂を含めて四人ぐらい?
そういう政治風土なのか、別次元の問題なのか。興味深いです。