一万円札の人
この人です。
福澤諭吉―文明の政治には六つの要訣あり (ミネルヴァ日本伝選)
- 作者: 平山洋
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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今の大分県にあった中津藩の下士の家に生まれ、能力が合ったため仕事だけもらって家禄をあげてもらえなかった父親を、ご本人生後十八ヶ月の時に亡くし、貧乏の中で勉強をした彼は、身分的制約の少ないアメリカの制度に魅せられ、アメリカ的な自由さを持つ立憲君主国家に日本が変身する事を目指して、慶応義塾を立ち上げ、新聞社をつくり、言論によって政治を変えようと努力します。
脱亜論とかでアジア嫌いで帝国主義を容認していたとか言われていますが、彼が嫌ったのは専制的な朝鮮や清の政府であり、ヨーロッパの侵略に対抗する為には、文明化したアジアが協力しなければならないと考えていたようです。名前が売れた人が良くやられる「この人がこういっていた」っていうのを、ゆきっつぁんもやられたようです。
ただやはり幕末明治期の限界はこの人にもあり、女性を尊重すべきと言いながら使用人の女中とかは眼中になかったようですし。
しかし、外っつらだけを見ていると榎本武揚なんか、幕臣で最後まで抵抗したくせに華麗に明治政府の高官に転進しやがって!とか思うのですが、福澤諭吉などの必死の助命嘆願があり、彼自身に政府にとって役に立つ技量があったからこそ大臣にまでなる事があったので、当時の藩閥政府の人材の薄さと幕臣出身者にも大変な能力を持った人がいたことが解ります。・・・そりゃあ、それまでの中央を担っていた組織なんだから、有能な人がいるのは当たり前ですがネ。身分制の壁で活用されなかったという・・・
あと、大久保利通と伊藤博文のラインがビスマルクの成功に幻惑されプロイセン=ドイツ路線を取り、ゆきっつぁんはそれには懐疑的だったようです。
現在では東京六大学と言われる慶応義塾も、最初は政府の私学不要政策で大変だったようで・・・あと、できのいい人間は皆役人になってしまい、健全な中流階級育成の為、富国の為には産業の発展が欠かせないのに、と嘆くゆきっつぁん。現在は産業界にいい人材が入っているけど、政界には型落ちのような人しかいかないという状況を知ったら、なんていうかなぁ、とも。
いや、某民主党のM原氏のエピソードで、京都大学時代の恩師に「役人として出世するなら東大じゃないとあかん。学者として名をなすならよっぽど頭が良くないとあかん。だから政治家になれば?」と言われたとかきくと・・・ええっと、お前は二流だから政治家になれって言われたよーなもの?
そうか、政治家は二流以下の人材なの・・・いや、いやいやいや・・・