五月晴れぢゃ
大雨が降ると脅された昨夜は、そんなに降らず、飲み会も適当に切り上げて、ほろろんと昨夜は帰宅しました。今朝はいい天気です。暑くなりそうです・・・車の中はおそろく三十℃を越えるでしょう。うへー。配達は汗まみれ〜。
久々にネットゲーのROをやって、次の目標を見つける事ができたので、またしばらくROができそうです。ふらーりふらりとやるですよ。
この間読んだこの本が、海外のSF賞を受賞したそうです。ちょっと前の話ですが。
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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作品自体は、『人類』の滅亡ではなく、人間の自我の滅亡を扱っています。自意識が人間相互がいがみ合う原因だから、それを亡くしてしまえ。という人々の話・・・と言えばいいのかしらん。
仕掛けは人間自身が行い、しかし最後の段階で人間を人間たらしめているものは自意識ではないか?と躊躇う保守派と自意識なくても人間生きていけるから、最後のアクセル踏んじゃえ、という革新派の争い・・・が最後に見えてくる。
そこまで行くのに、ええっと、どういえばいいんだろう?主人公は思春期に、逼塞した『平和な社会』『健康全体主義』みたいな世間からの脱出をはかる為、自殺行為を繰り返した女性で、でも成長した今は、常識では不道徳なこととされる、喫煙や飲酒を求めて混乱した紛争地帯にいるという。その不道徳行為が上司にばれ、逃げてきた故郷に戻され、久しぶりに自殺行為を一緒に繰り返していた思春期の友人に会うのですが、食事中に当時の話をしていたら、何の前触れもなく主人公の目の前で旧友がテーブルナイフを使い自殺してしまう。同時に世界中で何千人という人間が自殺を図り、何分の一かが実際に死んでしまった。
平和で健康的な社会なのに、何故?というところから物語が始まるという。
どちらかというと欝っぽいし切ない感じ。文庫本の表紙より新書版の表紙の方が物語を象徴しているようなので、そちらを貼り付けてみました。
伊藤さんを始めとして、神林長平さんの作風に影響された作家さんが最近活躍しています、という話。神林さんの作品が結構好きなあっしは、だからSFに戻ったのかな?とも思ったりして。
受賞したのは、『幼年期の終わり』というSF小説と扱っているテーマが同じだから受け入れやすかったのかな?と下らない事を考えてしまいました。