せつな過ぎる・・・

 何年ぶりでしょう。これを見ました。

 ガンダムものであり、登場するガンダムニュータイプ専用機という位置づけですが、出てくる人たちは普通の兵隊さんたちであり、戦時下でありながら戦乱とは離れていた中立コロニー、サイド6が舞台。主人公はそこに住む小学生。単純に戦争とかMSに憧れ、目の前に現れた本物の兵隊にくっつき、自分もジオン軍の一員なんだとガンダムを倒そうとして結果は・・・
 ジオン側の兵隊たちは全員戦死。しかもガンダムのテストパイロットは隣のお姉さんで、最期の戦いで核攻撃を回避する為にガンダムを倒そうとがんばったジオンの兵士とはお互い好意を持つ間柄(恋人未満ですが)。知らないとはいえ彼を殺したのはお姉さんが操縦したガンダムで・・・全てを知った主人公の少年がどうしようもない悲しみと脱力感に襲われたのはムリもないし、相変わらず戦争に夢中な同世代の少年たちとは違う思いで終戦を迎えたのも当然です。大人になったとか、そんなんじゃない。大人でも耐え切れるか、こんな事実。
 今やっているガンダムものが、何だか子供じみて見えるような辛口テイスト。良くこんな企画が通ったナ、と思うけど、これはボトムズのミリタリー路線OVAが売れたらGOサインが出たのかな。
 脚本とかガイナックスの人が入っていたり、音楽がムーンライダースの人だったりして、なーんかマニアックな感じがするのは気のせいだろうか。
 ガンダム世界の中で一番『日常』に近い雰囲気を持ち、ライトな音楽にごまかされながら一番重い作品になっています。戦場にされた人々の苛立ち、兵士たちの気持ち、一話三十分、六話でここまで表現されているのは、凄いですねぇ。
 あと、高校時代の友人に。『滅びゆく者の為に』がようやく解った。ほんと、この作品、そんなに見ていなかったんだなぁ、オイラ。