直立不動が大切です

 腰の話です。横を向いたり、不自然な格好をしていると腰に負担がかかるのは当たり前なんですが、腰をまっすぐに伸ばしていると凄く楽だし、なんか治っていくのを実感できる・・・みたいな?今夜も直立不動でいこうと思います。
 昨日読み終わったもの。

アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)

アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)

 ハードカバーを図書館で借りて読んでから二年余り、文庫本を改めて読んでみましたが、その前に『完璧な涙』を読んだせいなのか神林長平さんの小説のパターンが見えたような気がしました。
 まず、敵が正体不明。『戦闘妖精雪風』の敵は異星体の『ジャム』ですが、たぶんジャミングとかからとっていると思うけど、まったく姿を現しません。どんな存在なのか、有機生物である事も疑わしいという・・・。
 三十年前に南極で異次元に通じる『通路』が開き、突如三機の戦闘機が米軍南極基地の輸送機を破壊したのが始まり。
 その後、人類、地球人は反撃に転じて異次元の向こう側、フェアリー星に侵攻。いくつもの前線基地を抱えるまでになったが、にも関わらず敵はまったく不明。そこで侵攻していった地球の軍隊、フェアリー空軍(FAF)は特殊戦を設立。どんな状況でも、例え味方が敗北、全滅しようとも全ての戦闘記録を持ち帰り、必ず帰還すること。それを任務とする、端から見ると「卑怯者」「裏切り者」とか見られそうな部隊ですね。
 主人公の深井零はその中でも極めつけで、「人の事など知ったことか」という奴。ただ愛機『雪風』だけに依存し、どうやってジャムに勝つかという事だけを模索しているという・・・。
 しかしFAFの人間は多かれ少なかれそういうタイプの人間で、最初は精鋭部隊だったのでしょうが、今は、腕が立たないと生き残れないから腕はいいのでしょうが、まぁ流刑地みたいな感じ?地球ではあぶれ者が多く集まる吹き溜まりみたいで、それが地球防衛を担っているという・・・すさむ。
 『アンブロークン・アロー』はそんなFAFに裏切り者が出てジャムの総攻撃が始まったところから。単なる物理的な攻撃でなく、ジャムにとっては未知な『人間』というものを洗いざらい調べようする攻撃で、それに対する雪風の反撃で人間たちは空間、時間が定まらない状況に陥ってしまう。混乱しながらも自分と自分の状況を取り戻し、ジャムと戦おうとする主人公と人間たち。
 これが人間だ。解ったか、ジャム。
 こういう状況、『敵は海賊』シリーズでもよくあるし、『完璧な涙』でもありました。主人公が今いる時間、空間が解らない。でも「それがどうした」と食い破る。
 絶望的な状況でも諦めない強さが、良く解らん状況でも変わらない。そんなところが面白いのかなぁ。