選挙は大変だナ

 いや、土曜日に知人の方が選挙事務所開きをされまして、そこに、さくら一号として参加した時に思ったのですが、知人は政治なんてまったく志していませんでした。思いつきで事業を増やし、回して行くバイタリティが凄いなぁ、と思っていましたが、たぶん何か酒の席でやれよ、やったろうか、という話になって今回、減税日本から出馬したのだと思います。
 正直、勝てるとは思えない。
 議席は一つ。候補は三人。一人は長年議員を務めた長老。一人は民主党の名前を外して無所属で出馬。そして知人。河村さんのムーブメントが続けば、投票に行く人が増えて勝負がどう転ぶか解らないのですが、今回の震災で色々なものが吹っ飛びました。そのせいか先日の名古屋市議選の投票率は思ったよりも伸びず、減税日本は第一党ですが単独過半数を獲得した訳ではない。
 となると、長年無風無投票であった愛知県議選の繰り返しというイメージが・・・。
 名古屋市議選の話ですが、小川さんという若い議員さんがいます。民主党逆風の中、選挙区でトップ当選。何故か?守山区という選挙区なのですが、ここは名古屋の中心部に行くためには必ず川を渡らなければならない。つまり守山区民で名古屋に出勤している人は必ず橋を渡り、通勤時間に橋のたもとで看板を立て、本人と幟をあげ、笑顔で本人がいってらっしゃいをすると、名前と顔は覚えてもらえるという。
 この人、選挙の本質を突いているなと思いました。大多数の人は政策なんて聴いていません。河村さんのように単純なスローガンを上げ、それを実施する為に努力し、その姿をマスコミを通じて世間に知らせる事をするならともかく、そうでないなら、まず名前と顔を覚えてもらわなければならない。誰に入れても一緒と思ったら、顔と名前を知っている人に投票するというのが人情です。
 翻って我が知人にそういう戦法が取れるかというと、まずムリ。選挙区が中区という、住民よりもよそから出勤してくる人の方が多いという場所。都心でミツバチを育てたり、街づくりに関わったり、一般市民にしてはマスコミ露出はありますが、だからといって必ずしも中区民に知られている訳ではない。つくっている街が居住民が少ない地区なので、口コミ宣伝も疑問。
 加えて、実質的な選挙活動が二週間という短さ。自分なら、目の前がくらくらして絶対出馬しないです。選挙資金が勿体無い。
 それでも彼は出馬しました。そういう有言実行するところが凄い。選挙スタッフなんて皆無。街宣カーも選挙参謀もジャケットも借り物。徹底的に選挙資金を削って戦っているのが解ります。
 おそらく政治家はアマチュアでボランティアでやるべき、という河村さんの意見に同調しての事でしょう。県内の議員年収を今朝の新聞を見たら、県議と名古屋市議の報酬が群を抜いている事が解ります。なんじゃこりゃ。そういう事を何とかしたいと思ったのでしょう。
 奇跡が起こる事を期待します。
 ・・・とはいえ、供託金を返さなくてもいいぐらい票を獲得できればいいなぁ、ぐらいに思っているのですが(え