本日飲み会

 また寒の戻りで、やや寒いです。服装の選択に困りますが、まぁ今期最後のインバネスコートで決まりという事で。
 学術関係の本で、久々に堪能中であります。興味のない人には、なんじゃこりゃでありますが、あたくし的にはストライクです。ふふふ。

中国先秦史の研究 (東洋史研究叢刊)

中国先秦史の研究 (東洋史研究叢刊)

 時代範囲は、西周末期から春秋戦国期で、基本資料は春秋左氏伝。先行研究者として何度も杜預の名前が出てくると、ディープな三国志ファンとしてはにやにやしてしまいます。杜預は性格には西晋時代の人ですが、三国志演義最後のクライマックスである呉征服戦の立役者として登場します。歴史的には春秋左氏伝という歴史書の研究家として有名なのでしょうか。
 だいたい紀元前8世紀ぐらいから始まるので・・・えーっと三千年弱昔の事でしょうか。中国の歴史書の記述が、おそらく神話とかの要素が少なくなってきた頃ですが、まだ物語風にしか広く解釈されていない、少なくとも私にとってはそんな時代なのですが、それを理性というか、理屈というか、そういうところで攻めてくれます。当たり前か。
 特に春秋後期の『覇者』のシステムの説明が面白いです。最初の覇者、斉は周王朝からすると東の辺境にあり、王朝の勢力圏とは別に自分を長とする同盟を形成しました。同時期に周王朝自体も関内を中心に同盟をつくろうとします。どうも祭器をつくる際に重要である銅の調達に絡んでの事らしく、当時は周王朝の勢力圏外にあったワイ水(字が出てこない・・・)流域が銅の産地で、こことの取引、主導権争いが主な争点らしいです。
 しかし次第に同盟国同士の境界争いや、国内紛争の調停を覇者が行い、そして同盟外戦争を指導するように発展したようです。
 斉が公位継承争いで弱体すると、変わって現れたのは河北の晋。こちらは周王朝を推戴し、中原と言われた河南の諸侯を同盟という支配下に置き、その軍事力で主導権を握ります。しかし晋の君主ではなく、複数の家臣が政治的実権を、それぞれ別個に握り、別個に軍事力を持ち、別個に同盟諸侯の家臣と結ぶようになって話がややこしく・・・ちょっと説明しづらい。
 結局軍事的な緊張感の下に、つまりは外敵の存在がある故にまとまっていた同盟は、南の大国、楚との和睦によって崩壊、晋自体も分裂していく事になります。
 なんだか解らないのは、私のせいです。はい。
 半分読み終えたところで、もう後半分、辺境の王権と戦国期の王専制にたどり着いて一応終わるようです。
 なんか、こう、楽しいなぁ。読めない漢文は読み飛ばしてますがネ。