夜は暖かくして寝なくちゃいけません

 いや、早めに床に入って布団が温まってからじゃないと眠れないぢゃないですか。
 さて、名前だけは聞いていたけど、確か中学校の時に図書館で見た事があると思うけど、今までちゃんと読んだ事がなかったので借りてみました。

ゲド戦記 1 影との戦い (ソフトカバー版)

ゲド戦記 1 影との戦い (ソフトカバー版)

 読み終えて思った事、子供向けではないよ、これは。ハヤカワのSF文庫あたりで出すと、また評価が変わると思う作品です。日本で先行して発表されたのが私が前に読んだ『闇の左手』でして、当たり前なんだけど作風、文章レベルはほとんど大差がありません。訳文を書いた方の文章力もかなり読みやすいし。
 原作者が「アニメ化できるとしたら宮崎駿ぐらいだろう」と言う意味、宮崎駿氏が「ゲド戦記の要素は今までの作品に全て盛り込んでしまった」と言う意味が何となく解ります。
 マンガ版の『風の谷のナウシカ』から、その雰囲気があります。主人公ゲドと『影』との戦い。あまりにも人間自身の葛藤というべき物語です。これを小学生高学年、あるいは中学生に味合わせるというのは、なかなかハードかも。私自身、中学時代に戦記というからには三国志のような戦争ものを想像して失望したぐらいだもの。訳者には申しあわないけど『ゲド戦記』というタイトルが微妙なのかも。原題は『A WIZARD OF EARTHSEA』アースシーの魔術師ですが、確かにこのタイトルも違う気がする。主人公ゲド自身の葛藤を『戦い』と例えるなら、確かにこの物語は戦いの記録『戦記』なんですが、そこに思い至るのは全て読んだあとです。
 深いというべきか、難解というか、うーむ・・・タイトルって難しいですネ。
 読み終えたのは一巻なので、続巻を読みたいものです。