いや、どうにもならんだろう・・・

 昨日、二十数年来のお客さんと、うちが本業の作業服の事ではなく、タオルの納品の事でもめまして、というかお客さんが腹を立てて、もうぶち切れたという感じなのですが。
 創立記念でタオルを配りたいというオファーがあり、見本を持って事務を担当している社長さんの奥さんに確認決定いただいて納品したのですが、それから何週間かたって「交換したい」という話が。どうも実際に使う社長さんからしてみると思っていたものよりもタオル地が薄かったらしく、また色々と気に入らない部分もあったと。で、損はさせないから交換して欲しいというお話だったのですが、うちが仕入れたタオル問屋さんは「困る」とのこと。ダース単位で扱う元受さんなので、ダメなんだろうなぁ・・・と。うちとしても、そのまま「ダメでした」という他なかったのですが、その後注文残の作業服を納めに言ったら、かつてないほど奥さんが怒っていましたね。
 「返品を受け付けないタオル屋なんて聞いた事がない」と言われまして、たいがいこういう場合、罵る相手、つまり自分を目の前に言いたい事を言うと落ち着いてくるものなんですが「二度と買わない」と言われ、「普通見本を触ったら解りそうなもんだ」と言われたところで、こちらもアレ?っと思いましてね。
 収めた商品の見本を確認したのは奥さん本人で、それで解らなかったのは奥さん本人で、つまりブーメラン発言だな、これ。と。
 「二度と買わない」というのがタオルにかかるのか、それとも作業服まで含まれるのか解らないのですが、これはもうご自分に責任がある事を、「タオル屋が交換してくれないから悪い」に論旨が変換されていて、話の通じない状態になっているなぁ。
 うちとしては見本を持っていって、お客さんの了承を得て手配しているのでナンともならんし、損をする訳にもいかんからタオルを引き取ってあげる事もできない。これが加工していない作業服なら袋とタグがついているなら引き取る事も可能なんですが、タオルは専門外だからなぁ。
 先方としては折角使ってあげたのに、骨折りしないな、くそっ、と思われたのかも知れませんが、いや、大本の決断はお客さんがするものだから、そこへ立ち入る事はできんし。
 とまぁ、二十年以上お付き合いしてきましたが、あっさりとなかった事になりそうです。
 教訓。追い込まれた人は責任を他人に転嫁する事で心の平静を保とうとする。それには長年の信頼とかそんなものはまったく無力であるという事。
 ああ、ほんと、人と付き合うのは難しいなぁ。いや、長年信頼関係にあるから双方に甘えがあったのかも知れないし。信頼関係というものこそ、気をつけねばならない陥穽かも知れませぬ。
 まぁ、あっしとしては奥さんの話を聞いていたら「どーでもいいわ、もう」になっちまったのですがネ。もう感情の問題で相手をしていられないもの、ありゃ。