鳩山首相退陣

 ここ数年首相になる方は、何だか思い切りと諦めの良い方々ばかりで、一年弱で皆お辞めになります。なーんか、皆から非難されたから「もういい!!」と言って投げ出しちゃう感じと、選挙が戦えないから「辞めろよ」という合唱が毎回起こっているような気がします。しかし・・・首相の首を挿げ替えたからといって選挙に勝てる訳ではないって、まったく理解していないような気がしますネ。今回で四回目。また負ければ理解するかな?
 昨日読み終えた・・・よーな、『ドイツ空軍全史』。結論部分で気になる話がありました。
 イギリス空軍による大規模無差別爆撃が無意味ではなかったということ。こんな攻撃をされやがって!!と政府に対して怒り、敵に対しては空からやってくる爆音、爆弾への恐怖と、こんな悲惨な事を仕掛けてきた敵に対する怒り、報復。そして総動員制への拒絶反応。第一次大戦にドイツは情け容赦なく国家をあげての総力戦を仕掛け、国民の財産、労働力を吸い上げて戦いましたが、最後にはその国民に反乱を起こされて休戦、そして敗戦、莫大な賠償金で国家財政は破綻、という話になりました。第二次大戦はその二十年あまり後で、当時を知っている人が多い訳です。
 国家総動員をかければあの時の苦しい生活がよみがえり「またかっ」と国民が政府に対して怒る訳で、ナチス・ドイツはそれを恐れて、戦局が決定的に悪化するまでは総力戦体制に持ち込めなかった、とのこと。
 また無差別爆撃への報復にロンドンを焼くことを国民が望み、政府はそれを無視できず、爆撃機を迎撃する戦闘機ではなく、イギリス本土を攻撃する、戦略的にはほとんど無意味なロケット兵器を開発するという・・・
 ・・・民意が天の声って、こういう話を知ると嘘だと思う。連合軍が無差別爆撃を躊躇した事例は、爆撃部隊の損害が一割を超えて、その実施が疑問視される時であって、ロンドンが爆撃されたからではないんですよねー。
 今回の鳩山さんは、「結果として我々が正しかったと言われるだろう」なんて言っているけど・・・事業仕分け以外は金バラマキ政策にしか見えないし、普天間問題は彼らの不見識が問題だったと思うし、あんまり同情できないなぁ。
 民主主義って難しいー。