そういえば・・・

 何日も前の事なのですが、悪役俳優で有名な佐藤慶さんとお婆さん女優で有名な北林谷栄さんが亡くなりましたネ。随分遅いですけど、ご冥福をお祈りいたします。
 佐藤さんを意識してみるようになったのは昔のNHK時代劇で荒木又衛門の、いわゆる『鍵屋の辻』だったかな?で旗本の首魁を演じてみえたのを見たのが最初。敵討ちを巡って、それを成就させようとする側と阻止する側の暗躍が、当事者の思惑から離れながらもあったという・・・。今から思うと身分差が激しい国持ち大名と旗本が為口を効くなんてありえないなー、とか思いながら。大久保彦左衛門役の故西村晃さんが阿波の大名、蜂須賀至鎮をさして『蜂須賀の親父』などと・・・まぁ陰口だからいいのか。しかしその後、対等に話しているのを見ると、はやりありえねー。
 佐藤さんは器用な俳優さんではなかったように思いますが、その存在感で役をつくっていたように感じました。ああいう悪役俳優さんが次第に消えていくのが、ちょっとつらいです。今は出てきたら「あ、この人、敵役だな」って感じる人が少なくなったのかな。それだけ役作りが重要視されるようになったと言うことで、いいことなのかな。
 北林さんは有名なお婆さん女優で、『となりのトトロ』のお婆さんの声と『大誘拐』の紀州一の大金持ちのお婆さん役が印象的でした。というか、それしか覚えていない。若い頃から老け専の役者さんは意外に長生きしているように感じます。笠智衆さんもそうだよねぇ。森山周一郎さんもそうかな。
 子供の頃は自分になじみがある人が亡くなるなんて、ピンとこなかったのですが、最近は毎年のように名前を知っている方が亡くなります。それだけ自分の世界が広がり、そして世界は変わり続けるのだなぁ・・・とか思ったりもしました。