『ポルメリアの物語』UPしました。

 とか書いてみる。今まで何も音楽とかかけずに、ただひたすら、ヒーヒー言いながら作業していたのですが、昨夜思い付きでCDを聞きながらやってみたら、これがスイスイ・・・いや、感覚的なものでかかった時間は大して変わらないのですが、音楽の力って偉大ですねー。つまんない単純作業も楽しめるという・・・。いや、小説はつまらなくないです。つまらなくないと思います。どうぞ、よろしく。戦争の話ですけど。
 そして読み終わったもの。

 文章の書き方に癖があってアレなんですが、『倣岸、強欲、有能、そして苦悩のキャリア、グイッチャルディーニ』の人間像というものが浮き彫りになって面白かったです。彼の悲劇は、共和制(寡頭政治)フィレンツェを愛しながら、名誉と権力と富を志向してメディチ家に接近、有能な法律家として辣腕を振るい人臣を極めますが、サッコ・ディ・ローマというルネサンス・ローマの滅亡を防ぐ事ができず、また自分の敵に対して徹底的に復讐するという性格もあり、名声を得ながらも愛される事はなく、最後は君主制フィレンツェに至るきっかけをつくったにも関わらずメディチの君主コシモから排斥されて権力から遠ざけられ、歴史著作に専念しながら、有能である為に過労で命を縮めて大著『イタリア史』は未完のまま終わってしまうという、まぁそんな感じの人です。
 上流階級出身でありながらその考え方は官僚的と言って良く、楽天的で社交的、陽気で、そして歴史や政治というものに『普遍』を求めたマキャベッリとは友人になれたのですが、彼の考え方を理解する事はできなかった人、なのかもしれません。そしてその徹底した性悪説的考え方や目的へのあくなき追求からマキャベッリ以上のマキャベッリリストと言われる彼。
 でもそれは彼が望んだものが世俗的で、一般的だからなのかも知れません。
 正直、マキャベッリの生涯は彼とは友人になりたいと思っている作家、塩野七生さんの作品で知ったので、私も大変マキャベッリが好きです。
 だがグイッチャルディーニの生涯は、生真面目であまりユーモアを言わない彼の人柄に相応しく研究者の方の文章なのかも知れませんが、こんなものか、としか思えなかったし、彼自身の不幸、本来志向した共和制に殉じる事ができず、君主制で栄華を得て、そして結局失脚するさまも、まぁ良くある事と感動もしないし感銘も受けません。でも、それが世界史の中で『偉人』になってしまったマキャベッリと『有能な凡人』グイッチャルディーニの違いなんだろうなぁ、とか思ったりもします。
 あと、もう一つ、これも読み終えました。
要訳 紅楼夢――中国の『源氏物語』を読む

要訳 紅楼夢――中国の『源氏物語』を読む

 あらすじが解ります。でも・・・うーむ、やっぱりもうちょっと詳しい版を読まないと評価は難しいです。日本語で完訳あるのかなぁ・・・。