寒い日が続きます。

 今週末から月曜にかけて天気が崩れて、その後、来週は暖かくなる予想らしいです。暖かくなると少しは鼻がよくなるかもですよ・・・って、今週の土日はD&Dセッションでお出かけですよ、せにょーる。それで雨が降るのか・・・いやんだなぁ。
 そして、今読んでいるもの。

庶民たちの平安京 (角川選書)

庶民たちの平安京 (角川選書)

 民衆史というのは、なかなか解りづらいのですが、王朝貴族の日記、随筆の中からよく探し出して書いていますよ、この本。なかなか面白く、平安中期の、都の庶民がどういうものかが解ります。大半は、朝廷やら上級、中級貴族に仕える・・・いわゆる平安時代のサラリーマンのようなものですネ。様々な職能に分かれており、規模も数人から、公卿クラスになると百人を超える従者を抱えるところもあったようです。広大な貴族の屋敷の周辺の地所に、その屋敷に仕えたり関わったりしている庶民が住んでおり、高級住宅街かと思いきや、隣の区画は掘っ立て小屋ばかりなんて事も。
 そして貧富の差が天と地ほどもかけ離れているのが平安時代ですから、宮廷人の気まぐれが庶民の一喜一憂どころか、収入の多寡、それどころか命に関わる事にもなり、いやはや現代に生きていてよかったとか思ったりしますよ、ほんと。
 同じ著者の作品で『天皇たちの孤独』という本も読みましたが、こっちは横暴、横柄な摂関家に振り回され、運命を狂わされる天皇や后たちのエピソードなんですけど、一貫して藤原兼家、道隆、道長ら権力者を『奸臣』と呼んでいるところが気になった。『賢帝』とか評判の一条帝でさえも、他人の心を踏みにじる事は平気でやっているので、この時代の人と言うのは節制とか自己抑制という言葉がないのかも知れません。一条帝が摂関たちの抑圧から逃れたら『暴君』と評価される可能性もあったわけで、それで『奸臣』と言われても、しらけるよなぁ。
 まぁ、そんな事を思ったりして。