暑く晴れております。
例年の事だけど、ほんと秋は遅いですわい。
読み終わったもの。
- 作者: 長谷川博史
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2000/05/01
- メディア: 単行本
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それを徐々に徐々に、切り崩し、取り込み、滅ぼして出雲一国を支配し、最盛期を築いたと言われる経久の時代は、内の結束を求める為に外に積極的に打って出るという、上杉謙信的な戦国大名にならざるを得なかったようです。
一般に毛利氏に逼迫されて滅亡の坂を転げつつあるといわれる晴久の時代の方が内部的には支配力も高まり、領国支配も行き届いていたようです。新宮党滅亡も、尼子氏内部の対立関係を解消したと評価できるかもしれません。
逆に、こういう内部の対立関係の精算に手間取った為に、また地理的な条件の為に、勢力拡大が阻まれた勢力なのかも知れません。対外交易では玄関口になりえた出雲ですが、国内水運の動脈は瀬戸内海です。日本海の交易も盛んですが、一度陸に上がらなければ京に入れない分、不便なのかも知れません。
何にせよ、十六世紀後半から十七世紀前半まで、世界経済の血流を担っていたアジア銀、つまり石見銀山を支配する事で戦国大名として生き残ろうと謀り、毛利氏に敗れ去った尼子氏の実態がちょっと理解できたような気がします。歴史的価値からなら、石見銀山は世界遺産にすべきだよなー。