蒸し蒸ししてまする

 あれからつらつら考えたのですが、福田さんは去年の今頃は民主党と協調、あるいは諸問題を個別に話し合うという手法で『ねじれ国会』なるものを運営できると胸算用していたように思えます。小沢さんもノリ気だったようですが、これはいわゆる『五十五年体制』と言われた頃の与野党の手法で『密室政治』と批判されたものでもあります。
 民主党にしてみれば自分たちの意見を法案に反映させる機会を得ると同時に、野党としての存在意義を問われる事に、つまりかつての日本社会党のようになってしまうという危機感があるわけで、それで他の幹部や党員が反対したんでしょうね。
 結局の『ねじれ国会』では法案を通すために強引な手法をとらざるを得なくなり、内閣支持率も低迷したまま。ところが自民党支持率は上がって民主党支持率は下がっているらしいです。民主党の離党騒ぎはあまり良く解らないのですが、休日は新聞とかニュースとかに触れない事が多いので余計に、ですが、自分が続けて調整をして政権を運営していってもどうにもいい手法が思いつかなかったからではないでしょうかね?『ねじれ国会』という事で公明党の政権内の発言力も増していますしネ・・・そんな事が今朝の新聞に書いてあったナ。
 前に『スペイン継承戦争』という本を読んだ時に思ったのですけど、二大政党制というのは決していい制度ではないですね。確かに主張を戦わせて論点が明確になるのはいいのですけど、しかし野党は与党の足を引っ張る事しか考えなくなり、与党も野党を黙らせる事を念頭において政権運営します。つまり党利党益を優先させる傾向が酷くなるんです。
 もちろん『五十五年体制』のような政権運営は、野党が自分たちの意見を法律に反映させる事ができるかたちですが、野党の意見が与党に取り込まれ埋没してしまう恐れがあります。
 迅速に国益にあった政策を実行するには『五十五年体制』のようなものの方がいいのではないか、と思うのですが、それだと今の時代は拒否反応が強すぎます。本当は去年の安部内閣の時に自民党が穏当な政権運営をしていれば、政権は比較的安定したと思ったのですが、拙速というか拙いというか、まぁ政治家さんたちは歴史的大勝に浮き足立ってしまってそれを利用する事を忘れてしまったのでしょうネ。
 とはいえ、日本の政界はまだまだ混迷しそうです。というか本格的な混迷はこれからって気もしないでもないなぁ。

スペイン継承戦争―マールバラ公戦記とイギリス・ハノーヴァー朝誕生史

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