少し曇りがちです

 ふと思ったのですが、蝉というものは太陽がぎんぎらぎら輝いていると勢い良く鳴き出すものなのですネ。夜明けの太陽が輝くと、昼日向になると、ガンガンの大音量で鳴き出してくれます。鬱陶しいと思う時もあり、夏だのぉと感慨にふける時もあり、そして、それどころではないわ、と無視する時もあり。虫だけにナ(旨いこと言ったつもり
 昨日買って読み終わったもの。まだ三冊とも読み終わっていません・・・。

EDEN(18) <完> (アフタヌーンKC)

EDEN(18) <完> (アフタヌーンKC)

 終わるとはまったく予期していませんでした。不意打ちでした。あららん。
 最終巻を読み終わって思ったこと。この物語は、本来はエンノイア・バラードが主人公の話であったに違いない。だって一見主人公の息子よりも、よっぽど主人公属性ぢゃないですかっ・・・って本を読まないと解りませんが。
 息子よりも腕が立ち、立身出世のドリーム体現者だし(麻薬で稼いだ金だけど)、しかも世界に一人だか二人だかしかないごにょごにょ・・・。
 しかしこのお話はこれでよかったのだと思います。や、この話は英雄みたいな人が大活躍する話ではないし、どんな優秀な、どんな可愛い、どんなにいい人でもばっこんばっこん死んでいきますからねぇ。その点、氷と炎の歌に通じるところがあるなぁ。
 世界は地球温暖化が進み、地域紛争と民族移動が多発し、ますます混迷するところで終わっています。現実の世界がこのまま好転しなければ、こうなっちゃうだろうなぁ、という世界です。しかしそれでも人間は未来に向かって生き続けなければならないっ、てなラストでしたねぇ。主人公たちがそれぞれ家庭を築き、幼い子供たちを連れて亡くなった親兄弟、親戚、知人の墓参りをするシーンがあるのが、とても好きです。生まれてきたからには人間は皆死んでしまうのだし、過去を思いながらも未来に向かって生きるのが人間なのだろう。それだけが人間の希望なのだろうと思います。

 それだけに無差別殺人なんかしやがる馬鹿野郎には腹が立つ。
 そこに追い込まれていくプロセスが想像できるので、非難ばかりもできないと思うけど、それでも腹が立つ。
 皆、おとなしい人間だからってなめてちゃだめですぜ。おとなしいということはストレスを発散できない不器用な人間なんですぜ?