人死にの話

 氷室冴子さんが亡くなっていますね。ご冥福をお祈りします。
 自分が十代の頃、こんな小説もアリなのか!って目から鱗の作品を書いていらっしゃいました。新井素子さんとともにローティーン時代に影響を受けた作家さんです。そういえば数年前から『なんて素敵にジャパネスク 人妻編』もマンガ化されています。人妻編は原作読んでいなかったから新鮮だけど、結構真面目に平安時代の事を調べてあったりします。もっともこの十数年で平安貴族に対する認識は変わりつつありますよ。文弱な公家というよりも、お金持ちのヤクザって雰囲気ぷんぷんしてます。体裁があるから武力には関わらないけど、相手が弱い奴なら平気でぶっとばしちゃうぞ(ハートマーク)なんて感じで。
 それでも調べられるだけ調べて書いているところに好感が持てました。
 氷室さんは癌とはいえ自然死なので仕方ないと思うけど、日曜日の秋葉原通り魔殺傷事件は・・・ねぇ。
 犯人がその犯行に陥っていく精神過程は想像できる気がします。十代の時にそういうことを考えちゃったりした事もあったが、さて実行に移してそれが何になるのか、と自問すると怖くなるのです。なので幸いな事に私は犯罪に手を染めずに生きてこれました。
 今回の犯人はもちろん許せないし極刑にすべきだと思いますが、彼がそんな自己中心的で孤独な考え方に陥ってしまった過程も研究すべきだと思います。理由はずいぶん身勝手だと思うけど、彼が職場や社会で孤立せずにいたら引き起こさなかった事件だったかも知れません。・・・聞いていると友達になりたいと思える性格とはいえなさそうですがね。
 彼の生い立ちや家庭環境、性格などなど調べて見ると、今後、そういう事に走りそうな予備軍の人たちに対して、何かしらの対策になるのではないかと思ったりする。
 自分はいつも想像だけで思いとどまり、それを小説にしちゃったりしているけど、そうやってストレスを発散できない人もいますからねぇ。
 あ、ラウルくんの話ですね・・・ええ、書いていますよ(視線は明後日の方向へ