内田さんのよほに、やっつけてみやうと思ふ。

 いや、随筆と言うかエッセイというか、そういうものの事です。
 調度内田百輭さんの郷里岡山時代の話をネタにした随筆を読んでいたので、子供の頃の話とかなんとか。
 とはいえ、あたしゃ中学時代までの自分の事が好きじゃなかったんですねー。なーんか、いい子ちゃんで来てしまって自分自身で何も言い出さない感じがすごく気に入らなかった。高校時代に弾けて、先輩から「変わっちゃったね、君・・・」とか言われましたが。
 小中学校の同窓会は、何だか行く気になれません。昔話をされても思い出せないし、特に会いたい人がいるわけでもない。親しい友人とか片思いの相手とかもいましたが、だからといって何を喋ればいいのさ?とか思ってしまったらそれまでですな。
 昔から本の虫でした。やっている事は変わりません。図書室が図書館になったぐらいです。買う本の量が増えましたが、まぁそんだけです。賢い訳でもいい学校へ行った訳でもないです。
 そういうわけなのか、小中学生時代友だちとの思い出って不愉快な事とか結構あって、いや、楽しい事も結構あったけど、でも好きじゃない。自分自身が好きじゃなかったというのが一番なのか。だからあの頃に帰りたいとは思わない。
 小学の先生の事は結構思い出せます。三年四年は怖いと評判の先生が別々に受け持って、三年生の時はびびって泣いたと思います。四年生の時はさすがにそういうのはなかったと思いますが、同じクラスの女の子がまだ小学生なのにストレス性肩凝りになった事を聞いた覚えがあります。子供は子供で大変なのだ。
 私の故郷は名古屋の都心です。今も店はその近辺だし知り合い、お付き合いしている人たちは多いので、一年を通して一番そこで長く過ごしていると思います。でも業務形態の移り変わり、再開発、その他諸々で、そこはもはや私が子供時代過ごした場所ではありません。住んでいる人も少ないしな。その事に気づいた二十代前半から、そこは故郷ではなくなったのかも知れません。
 それはそれとして健全な事なのでしょうけど、やっぱり少し寂しい気もします。都会が故郷というのは変ですかねぇ?