エラリィ・クイーンって・・・

 自分にとってエラリィ・クイーンという作家は当たりはずれが大きいようです。
 今回読んだのは『ドルリィ・レーン最後の事件』・・・いや、最後の事件と言われてもドルリィ・レーンなるお爺さんを知ったのは、この作品が最初なんですけどネ。
 印象はやや散漫。殺人事件は後半になるまで発生せず、謎解きの部分もやや白け気味。極めつけはラストで、やっぱりそうきたかーっという感じでした。
 ドルリィ・レーンなる人物を謎解き主人公にしたXYZの各悲劇三部作を読んでいないせいなのか、このご老人に対する思い入れもなく、そしてシェイクスピアにもさほど敬意も払わず(ハムレットはいいけど、オセロやばら戦争もの、ヴェニスの商人は戯画が過ぎているよーな気がする。無邪気に賞賛する気にはなれないや。劇聖という気にもなれない。ソネット詩は面白かったかな)、シェイクスピアの自著サインやらその記述内容に関して神経を尖らせる事もしないし、まぁそう考える人もいるのねぇん、としか思いませんでした。
 それを殺人事件にまで発展させるなんて・・・未消化プロットも多いしなぁ。ちょっと風呂敷を広げすぎた感じがします。
 まぁ、この人の一作目から「あいたた」感があったので、ずっとそれをひきずっているのかも知れません。
 うーむ、久しぶりにアガサ・クリスティでも読もうかな。
 何故かクリスティ女史のお話は「あいたた」と思っても許してしまうのです。なぜだろう?この人の考え方が好きなのかな?