妄想が足らない

 皆さんご承知、あるいはご承知の方が多いと思うのですが、あたしゃ妄想によって原稿を書いています。妄想が濃ければ濃いほど、精度の高い文章になるようでして、始終そのお話ばかり考えていると、人様に評価される文章が書けるようです。
 困った事に、私は幸せな場面よりも不幸せな場面とか、酷い場面を妄想する事が好きです。Sかというぐらいですな。
 例えば、更新が止まっている『天使の家』ですが、今話は幸せなところなんですよネ。これが、まったくといっていいほど自分の想像力を刺激しない!『天使の家』に関しては、あれが撲殺されるとか、あれが絞首刑にされるとか、あれが息子に毒殺されるとか、あれが弟に捕らえられて処刑されるとか、そういう酷い場面は妄想できるのですが、誰それが人に評価されるとか、誰それが無事誕生するとか、そういった幸せな場面はまったくといっていいほど思い浮かばないのです。・・・ヤバイじゃん。
 翻って『ポルメリアの物語』ですが、つらいよね。重いよね。そしてそういうお話を嬉々として妄想しているんですよネ、あたしってば。だから『ポルメリアの物語』の更新は順調であり、次の話も用意されているという・・・人としてどうかと思うよね?
 『トリコロール』はギャグでも、幸せな部類だと思います。そして人様から突っ込みが入ります。人様のお金で本にしているのだから、と思い譲歩とか納得とかしていると、ただでさえ幸せな事には働かない妄想力がだんだん落ちてきて、仕舞いにはやる気ナッシングな状況になったのだと自分では分析しています。
 ということはですネ。今更思ったのですよ。
 人様の好みなんか聞いている場合じゃないと。
 人様が何を言おうが自分の好きな妄想世界にどっぷりはまっていないと、人様に評価される事すらない文章を大量生産して、在庫の山を抱え込む事になるのだと。
 という事なので、今更なのですが、ごーいんぐまいうえいこそ我が生きる道と規定し、リクエストとかは他所に置いといて、自分の趣味にだけ走ろうと思います。
 そうなんだよ。そうじゃないと死んじゃうんだよ、自分が!
 あー、そうなったら売れなくても本懐って感じだよな。
 後ろ向きでやな感じだけど、何かこれこそ自分って感じ?
 それでも付き合ってくださる方は神様です。拝ませてください。なむなむ・・・。