夏いですよ、はい

 暑いですネ。転寝が気持ちいいですネ。とかなんとか言ったりして。
 まだ途中読みですが、捨子のルネサンスとか言う本が面白いです。といっても研究論文のような読み物ですが。
 新書で『路地裏のルネサンス』という本を書かれた方と同じ著者なのですが、最近熊本の病院で論議を呼んでいる『赤ちゃんポスト』とかと同じ発想の、15世紀フィレンツェに誕生した慈悲院の話です。もっぱら孤児を預かり、乳幼児の病院的な役割も持っていた施設で、まぁ様々な理由で子供を捨てていく親がいるんですな。たいがいは貧しさ故に、あるいは子供を切り捨てていく。施設に預けられる子供たちは乳母(これも職業化していた)に育てられるのですが、里子に出された子の三分の二は死に、成人できた子供たちはかなり少ないようです。悪質な、養育費だけもらって子供を餓死させるような乳母もいて、また現代よりも遥かに子供が死に易い環境ですから、なかなか健康に育たなかったようですネ。
 今の日本は少子化とあいまって子供の虐待がマスコミネタになっていますが、現代になって出てきた『現代病』ではないということだけははっきりしています。弱いものは虐げられる傾向を常に秘めている、という事でしょうか。
 古代ギリシアやローマでは、虚弱な子や不具の子(差別用語か?)を殺してしまう事は『理性的な行動』と理解されていたりと、時代によって認識は違うものなのだと思ったりします。
 一方では知的障害児を『神の子』として神聖な存在とみなす場所もありますしネ(日本じゃなかったかな?)
 そういえば、ちょろりと調べたけど日本では代理出産というものを禁止するような動きがあるらしいです。そもそもそれに関する法律もないとか。
 少子化に悩んでいる割には、子供が欲しい夫婦への配慮が足りないと思うのは、私だけなのかしらん?なーんてね。