天気はいいけど・・・

 鼻水出てます。口内炎にもなっていて食べるスピードが落ちています。喋るのもちとつらいです。ああ、早く治さないと・・・。
 

 図書館で借りた高島俊男さんのエッセイです。週刊文春に連載しているものをまとめたもの。週刊誌なんてろくすっぽ読みませんが、前はいきつけの銀行においてあったので待ち時間にチラチラ読んでいました。いつの頃からか週刊新潮に変わり、そして今では女性向けタウン情報誌しか置かれなくなりましたが、週刊文春は好きでした。いや記事が好きではなくて、連載されているものが面白かったものですから。新潮はいまいちでした。何故か知りません。
 さて連載は好評だけど単行本は売れないとという事で、この十巻が最終巻ということだったのですが、アマゾンで見ると別の出版社から十一巻が出ています。読者は年配者が多くて、一昔ではなく三つぐらい昔の話題がぼろぼろ出てきて面白かったりします。
 今回気になったのは『津波』のこと。巨大な波をさすこの言葉は日本語しかなくて国際的にも『TUNAMI』と言われているそうですが、中国語だけは『海嘯』というそうです。ところがこの言葉、もともとは海鳴りの事で波をさしていた訳じゃない。江戸時代の文人たちが津波のことを『海嘯』と当て字したのが逆輸入されて中国語でも津波の意味を含むようになったとか。
 面白いですネ。
 もう1つ。太平洋戦争末期に出撃前の特攻隊員を写した写真があって皆にこにこしている。これを所持していた人は、死ぬ前の隊員たちは心晴れやかにお国の為にうんぬん・・・と言っていたらしいのですが、どうも麻薬を飲ませてハイな状態にしていたらしい。特攻なんて行ったっきりの戦いで戦果なんて確認できないし、大して上等な飛行機でなくても行かされた人たちもいるようです。戦争末期は武器弾薬が底をつき、陸軍なんか内地では何もできないから、体当たり戦術で闘っているよ、と国内向けの言い訳の為に特攻隊を組織した。という説があるらしいです。さもありなんな話ですネ。
 死にに行く人の顔は凄く険しい顔をしているはず。こんな太陽のようなポカポカの穏やかな笑顔を浮かべる筈がない、という話ですが、昔二代目水戸黄門をしていた西村晃さんも特攻崩れで、凄い精神状態だったって言っていましたから、まやかしの写真なんでしょうね。
 『美しい国、日本』のキャッチフレーズの裏にこういうものが念頭にあったとしたら、嫌ですネ。