暖かい→寒い

 日中は暖かかったんです。でも雲って陽射しがなくなったら一変して気温が・・・というほど下がっていなかったけど、風も生暖かかったけど、奇妙に寒く感じました。うー、喉痛ひ。
 『チャタレー夫人の恋人』を読み終えました。えーっと、なんて言うか、ラストはやや痛いかな?ただ作者のロレンスが、この作品を執筆していた当時の状況の方がかなり痛ひ。
 チャタレー卿は戦争の怪我で足が不自由になり性的不能になってしまったのですが、ロレンスも肺炎で体が弱り不能になっていたこと。しかも夫人はイタリア人男性と公然と不倫関係を結んでいたとのこと。状況は小説とほぼ同じですが、自分の分身を妻に裏切られても仕方ない、と読者に思わせるチャタレー卿においているところが、作者のスノッブなのかしらん。
 この作品を書いた後ロレンスは亡くなり、夫人の方はどうなったのか読まなかったのですが、作品の方は猥褻物扱いされ、なかなか無修正では出版されなかったようです。まぁ大した事はないと思うのですが。不倫関係でも愛する男と女が性愛の喜びに歌うのですから、別にいいんじゃないの?と思う。ただし日本語訳で性愛ネタのシーンを読むと、なんか滑稽に感じるんですよ。これは日本語の性器を示す言葉が何となく滑稽で、日本人にとって明治以前の性が比較的大らかでおかしみ、あるいはハレの楽しみを象徴していたためなのかもしれません。とか、この間読んだ『遊女と天皇』の話から思ったりする。
 猥褻物で興奮するのは、それを隠しているからで、大っぴらにしてしまえばどうって事のないものに成り下がってしまうのではないかと思います。娯楽に対する規制というものは、ある意味犯罪組織の資金源になる危険性とかあるしね。
 まぁ、品があった方がいいですけど、規制を多用するのもよくないだろうなぁ、とか思いました。