暖かさは今日まで・・・

 明日から寒くなるそうです。あいやいやー。
 本日買ったもの。
 『怪・力・乱・神クワン』5巻
 『異郷の草 三国志連作集』 志水アキ
 どちらも後漢末期三国時代を舞台にしています。上は伝奇ファンタジー。下は三国志演義に登場する人物の短編集。よそでこの人が書いている『夜刀と神つかい』よりも明るくていいですヨ。クワンの方は落ちを何処に持っていくのか解りません。始まった頃は阿瞞だった曹操がクワンが異界にいる間に曹操になり、しかも黄巾の乱まっただなかですしね。クワンの謎も少し解けた。人間じゃないのは知っていましたけどね。
 短編集の中では簡雍の話が好きです。正史では劉備に最も近しい人物であり、そのくせ際立ったエピソードもない。たぶんこんな人物なんだろうというのですが、禁酒令を取りやめさせた有名な話からすると、こんな飄々とした人だったに違いないと思えます。

 『蟲師』八巻 漆原友紀
 アニメになり映画にもなりと気づいたら色々展開しています。蟲師。こういう目立たない話は目立たなくていいのに、とか思ったりしますが、噂によるとアニメの出来はいいらしいので、少し見てみたい気分です。
 今回の本では最後の、少し痛い話がいいです。幸せな中にキリッと痛むものが混じるのが好きなんです。最後の話は救いようがないけれど、人がはまる落とし穴のようなので、私は好きな話です。

 図書館で借りた本は『チャタレー夫人の恋人』を読んでいます。一時期、「あまりにも赤裸々なエロチックな表現」とかで物議をかもし、発禁になったり修正を加えられたりした小説ですが、まだ半分読んでいないけど、基本的にはメロドラマです。戦争によって半身不随になった夫と仲が徐々にこじれていく。夫の友人達に男としての魅力を感じない。そこへ、軍隊では将校だった炭鉱夫の息子が森番として雇われる。彼にかかわり始めて、あとはおさだまりの展開〜、なんですが、ポルノじゃないです。たぶん。修正版なのかどうなのか、ちくま文庫版ですが、これはポルノではありません。前の『愛人』もそうですけどね。
 『愛人』はすごく痛々しい。たぶん家庭が崩壊してしまった思春期の少女が三十代の中国人青年の愛人になる。しかも明確な恋愛描写がなく、少女自身にもそれがなく、彼と別れてフランス行きの船に乗った時に初めてそれを自覚したという、その痛々しさが残るからでしょう。
 それに比べると『チャタレー夫人の恋人』は、ぬるいですね。
 これからどうなるか解りませんけど。