まだまだ陽射しは暑いですネ

 中断していたマンガの感想とか。
 『チキタ☆GUGU』6巻 TONO
 少女漫画ですが、ポップな絵柄ですが、会話のノリもライトですが、グロかったりします。この方の作品は、人の弱い部分、優しい部分、残酷な部分がサラっと表現されていて好きです。マンガ違いですが、女主人公が「メンス!」と連呼し、「アレ」が重くて辛いとのたまうのは、この人のマンガぐらいでしょう。いやぁ新鮮ですなぁ。
 『チェーザレ』1・2巻 惣領冬実
 副題が『破壊の創造者』だそうです。この方のマンガは大昔妹が読んでいた女主人公が両刀使いの美男二人とトリプル婚(ありえない)してハッピーエンドという、題名を忘れたけどとんでもないものと、『青のメソポタミア』というSFチックな話ぐらいしか読んでいません。
 しかし、このマンガは結構調べて緻密に絵が描かれているので、なんの予備知識ももたずに衝動買いしてしまいました。・・・こういうのに弱いのです。
 イタリア史で一際異彩を放つ男、チェーザレ・ボルジアの生涯は塩野七生さんの『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』ぐらいしか真剣に読んでいません。他の作家のルクレツィア・ボルジアの話を読んだ事もありましたが、こちらはスキャンダルネタに走りすぎてバランス感覚が悪かったので削除しました。
 チェーザレという男は、甘い容色と苛烈な性格により、そして若くして失脚し、最後はピレネーの山奥で壮絶な戦死をした事もあり女性作家に人気があるみたいですね。織田信長と比較する向きもありますが、信長には彼ほどの判断力、政治力があったかは疑問です。
 列強の侵略にさらされるイタリアで、曲がりなりにもそれらに対抗できる力を父教皇の権威や外交力も駆使して若くして確立していくチェーザレは、信長よりも厳しい緊張感の中で生きていたと思います。
 マンガの作風は、『貴族的』と称されるボルジアにしては地面に降りてきている感じがします。まだ青年期の物語。どうやって彼の人生を描いていくのか楽しみです。