雨があがり、やや涼しいかな?
買ったマンガの感想はひとまずおいて、図書館から借りてきた本の感想なんか・・・。
イタリア王国成立から崩壊までの、サヴォイア(イタリア)王家の役割とか何とか。印象に残ったのは『イタリアは成った。しかしイタリア人はいない』とかなんとかという言葉です。
イタリアは長らく国ではなく地域の名称でした。古代ローマもそうですし、解体されたカール大帝のフランク王国(西ローマ帝国という人もいる)の中に、北部イタリアを領域に持つ『イタリア王国』というものがありましたが、それも短命。以来千年という間、イタリアは無数のコムーネの乱立、それが強大化した細胞分立的な国家群、外国勢力の侵略などなど一度たりとも統一された事がなく近代を迎えました。
つまり『ローマ人』『トスカーナ人』『ミラノ人』『ヴェネツィア人』『ナポリ人』とかいう意識はあっても自分たちがイタリア人であるという認識はないのですね。それは現代でも言えるらしいです。
統一されたイタリア王国の王冠を被ったサヴォイア王家も、統合の象徴にはなりえず政治の失策や軍事的失敗によって次第に権威を無くし、かわって登場したのが古代ローマにアイディンテティを求めたムッソリーニ率いるファシスト党で、それが第二次大戦の伏線になっているわけですね。ヒトラーは様式的にムッソリーニの真似をしていますから。
当時のイタリアと現代のイタリアは別のものかもしれません。しかしサッカーワールドカップで唯一選手が国家を歌わない国がイタリアだそうです。
日本人には解り難い事かもしれませんね。