久し振りの雨です・・・そんだけです。

 やや涼しくなってきましたかね?
 さて今日読み終わったのはイギリス食文化の本。イギリスの料理がまずいという伝説ですが、どうも産業革命が関わっているようですネ。
 上流階級はフランス人の料理人を雇い、労働者階級はロクなものを食べず、中流階級は上流階級の真似をして、とにかく料理人を雇いたがる。ジャガイモを軽蔑し、労働者も砂糖入りの紅茶とジャムやバターを塗ったトーストを食べ、野菜を圧倒的に口にしない。とにかく実質を伴わないスノッブが原因というように著者は書いています。
 イギリス料理といえば、ローストビーフかステーキか、そしてフィッシュ・アンド・チップスぐらいしか思い浮かばず、産業革命から近代にいたるまで街の食堂は不衛生・・・美食を軽蔑するのがジェントルマンで、以下の階層もそれにならうとなれば、目を覆いたくなる惨状になりますわな。
 今までに読んだイタリアはともかく、ロシア、ドイツ、下手をすると味音痴と思われるアメリカよりも酷いって感じ。アメリカの味事情が悪いのは共働きと企業戦略のインスタント食品や缶詰のせいだけど、イギリスの場合は、もっと酷い感じです。
 様々な移民に溢れるようになったロンドンはバラエティに飛んだエスニック料理が楽しめるそうです。十数年前に卒業貧乏旅行で訪れたときは、中華とイタ飯と、なんかのサンドしか食べなかったけど、ようやくイギリスにも食を楽しむ精神が宿ってきたのかも知れませんねぇ。
 ピーター・メイルの南仏ものが売れるんだもの。
 いや、あの本は大変面白いですヨ?