いい天気やわ・・・

 本当は昨夜書くべきでした。すみません。『ポルメリアの物語』三つ目の物語『塔』を更新しました。アレがアレで、ちょいとダウン系の話なんですけど、何でもなぎはらっちまうポルメリアの勇姿を楽しんで下さい・・・本当か?
 今日読み終えたもの。倉橋由美子訳『星の王子様』
 岩波版の版権が切れるという事で各社さまざま出した『星の王子様』でしたが、昨年亡くなった倉橋さんのものしか読まないでおこうと決めていたので、先日図書館で発見するまで読みませんでした。倉橋さんといえば『大人のための残酷童話』ですね。私は中学の時に初めて読みました。中学生には刺激が強かったかも知れませんが、だいたい皆読むと面白いといいますね。内容は、まぁ童話というよりも小説です。六十年代、七十年代の流行であるエログロチックな。他にもその手の短編は読みましたが・・・小中学校の時に(どんな子供だ!)、文庫本で買うと決めたのは『残酷童話』だけでした。なんだかぶっちゃけ人間心理を語っているようで、酷く寂しくもあり納得するところもあり、文字通り大人になった気分でした。
 今回の『星の王子様』も本編は控え目でしたが、後書き、つまり訳者の解釈はぶっちゃけ気味で、面白かったですね。王子様と狐が仲良くなるシーンの言い回しはフランス語でないと微妙な味が出ないようです。原文に忠実に訳すと狐は王子さまに『仲良くして』ではなく『飼い慣らして』といっているようなのですが、それではあまりにぶっちゃけなので、本文は『仲良くして』にトーンダウンしています。しかし『飼い慣らして』という言葉に含まれる隠微な空気にはかなわないと思います。倉橋さんもそう思われたから後書きで書いているのでしょうね。
 『星の王子様』で泣くような読み方はおかしいそうです。そしてこの本を聖書や資本論と並ぶベストセラーというのも、変だと倉橋さんは言います。そうだよね。他の二つは宗教の教科書で、信者は絶対買わなきゃならないものだもの。『星の王子様』は読みたいから買っている。その点は違う。
 え?共産主義は宗教ではない?いや、イデオロギーなんて宗教みたいなもんですよ。はい。