昨日よりも更に湿ってます。

 蒸し暑いって事ですね。
 久し振り読書第二弾・・・とかいいながら図書館で本を借りたので中断しました。
 『九品官人法の研究』宮崎市定
 三国魏から六朝時代、つまり中国の動乱期にあった貴族官僚の人事制度の研究ですね。唐の時代に入り、出身に関係なく試験結果が問われる『科挙』が主流になる・・・完全にそうなるのは宋の時代からなんですけど、それまでの事の研究です。
 旧仮名遣いで少々読み辛いですが、漢字は現在使われているものですし、それを除けばなかなか読みやすい本です。もっともかなり専門的な研究書ですから、予備知識なしで読むとさっぱりワカメかもしれませんが。
 動乱の時代が貴族全盛というのは、なかなか理解しがたいのですが(極東において貴族は軟弱の代名詞扱い・・・)、中国の貴族制は効率良く人材を確保する事から始まり、能力の評価を評判に頼った後漢から、漢王朝の人材を効率良く吸収しようとして便宜上つくった『九品中正』制度が変質し、高位高官の息子ほど官僚としてのスタートが有利になる、つまり門閥が形成しやすくなるといった欠点が暴露され、貴族階級が形成される、という訳です。
 土地を与えられ、それを世襲私的財産としたヨーロッパの封建貴族と少し違うように見えますが、しかし元々公爵、伯爵はフランク王国の役職の事でしたから、似ている部分もありますね。
 似ているようで似ていない。似ていないようで似ている。
 なかなか、東西の貴族性の違いを見るのも面白いものです。