読み終えました。

 いい天気ですねー。・・・って起きたのはついさっきですが。
 『ナポレオンとタレイラン』を読み終えました。教科書では反動の固まりのように書かれているメッテルニッヒへの認識を新たにした、そしてイギリスも結果として『革命』へは『反動』として対処していたのが解り興味深かったです。
 ふと革命後のフランスが、現在のイラクの状況と何故か重なりました。似ていると言いたい訳ではありません。ただ影響力のある国が混乱状態になると、周りの国は同じ様な反応を示すのだなぁ、なーんて、なんとなく思ったりして。ただイラクの場合は周りといっても世界規模になってしまいましたけど。そしてイラクにはタレイランは今のところいないようです。見えていないだけかも。
 タレイランはイギリス型の『立憲君主制』を目指してフランス革命に参加し、三度の、いやひょっとしたら四度の政変に関わって晩年にようやくオルレアン家によるそれを確立しました。実に四十年に及ぶ努力の結果です。選挙民の動向や既得権益、利得に右往左往し、マスコミに振り回されている(少なくとも私にはそう見える)今時の日本の政治家には、ちょっといないタイプですね。まぁ時代も違うし(愛人と結婚して倦怠期がくるとお互い合意の上で、それぞれまた愛人をつくっても平然としている、っつーか当たり前の事として受取っているフランス貴族の感覚は日本では難しい。それに妻の愛人が自分の知人友人になり、それが外交交渉に役に立つっていうのは、もー異次元の世界かも)。
 今までナポレオンの事は戦術、戦略レベルの褒め言葉しか知らず、彼の転落の原因はベテラン兵を消耗しすぎた事にある、みたいな事しか知らなかったのですが、その兵力の消耗の原因なった彼の外交姿勢が理解できて面白かったです。国同士の事だから謙虚に振る舞っていては足元を見られますが、尊大に過ぎれば反感を買う。お互いの国が一体何を考え、何を目的に動いているのかを知らないと、やっぱり不幸な結果になりますね。
 ・・・でも靖国問題は、中国韓国にとっては、とってもお手軽な反日手段で内政の失敗を外に逸らす事ができるから、なかなか難しいのかも知れません。A級戦犯を合祀したのもなんだかなー、っと思いますけど。負け戦の指導者を拝む気にはなれないから。