今日は目から鱗でしたよwww

 図書館で借りた『雑兵たちの戦場』という本を読んで、今までの戦国時代のイメージが変わりました。まだ全部読んでいないけど。
 特に変わったのは上杉謙信。人から要請を受けて今日は関東、明日は北陸、あっちゃこっちゃに出兵しながら領土を増やさない『義将』、おいらの価値観からするとお人よしな謙信くんでしたが、意外な事実が解りました。実は彼は越後国外の戦は、ほとんど晩秋から春にかけて、つまり冬の間やっているんですねー。農閑期です。そして越後は当時二毛作で不可能で、山里ともなれば冬を越せるか、春を迎えられるか、という飢餓との戦いだったようです。国外への戦に人々を駆り出していくのは『食えないから、よそで略奪して食う』という事らしいです。
 当時の戦は、略奪、人攫い、牛馬攫い、と根こそぎもっていくのが給料代わりのようでして、人身売買当たり前、というか、そうやって攫った人間を売って現金に変えて、雑兵たちは生きていたようなんです。そりゃそうだわな。給料なんて戦国大名も払えないもの。常備軍も維持できないし、戦いがある時期に人を集めて軍勢をでっち上げるのが常套手段。流れ者とか忍びとかの傭兵達や、農業では食えない連中とかが略奪目当てに集まってくる。そういうのを率いて戦をするから、統率が大変で苦労する。らしいです。城攻め前に町とか田畑を略奪して満足して、雑兵たちが帰ってしまったという話もあるらしい。
 戦国時代は戦があるから過酷な乱世、と思われていますが、度重なる天災、飢饉、未熟な農業では生きていけないので、戦という一大事業で全てをかけてぼろ儲けを人々は目論んでいた、ようです。だから天下統一後に朝鮮を侵略したのもそういう、荒稼ぎの場を求めて、という乱暴な論理らしいですねぇ。
 だから謙信くんは、お人よしではなくて、領民を率いて雪の少ない関東におり、食べる術が乏しい彼らに食と稼ぎ場を与えた『名君』なんですねー。関東地方の人々にしてみれば腕力のある蝗って感じですけどね・・・