喉の痛みはありますが

 風邪の方はだいぶ楽になりました。先ほどにわか雨が局地的に降ってましたよ。お月さんが出ているのに雨が降っているという、なかなか珍しい風景でした。太陽が出ていたら虹が見えたかも知れません。
 今日読み終わったもの、コジモ・メディチのお話。フィレンツェ共和国の『祖国の父』と贈り名された有名なメディチ家の家祖にあたる人です。本当のご先祖はこの人の親父、ジョバンニさんですがね。銀行家として大をなしたジョヴァンニ氏の後を継ぎ、企業家としてはメディチをヨーロッパ最大級の富豪にし、政治家としては、人々に悟られぬようにフィレンツェ共和国を牛耳り、イタリアで勢力均衡策をとって平和をもたらし、ルネサンス芸術の隆盛を促したという、まぁド級の人物です。なかなか性格も複雑で会う人ごとに印象が違うらしく、コシモ・メディチの肖像とされている絵はいくつかありますが、全部違う人に見えます。ただなかなか辛辣な言葉を優しい口調で言う人、みたいでしたね。
 メディチ家で有名なのはこの人の孫でロレンツォ・イル・マニーフィコと呼ばれる人ですが、コシモが政治家であり企業家であり何がしかの『財産』を残したのに比べて、芸術のパトロン、エピソードの宝庫としては面白いのですが、何をなしたか、についてはいまいちです。ロレンツォの息子と甥がそれぞれローマ法王になりますけど、面白いけど、やっぱりいまいち?特に甥っこのクレメンテⅦ世は「サッコ・ディ・ローマ」と呼ばれる一大悲劇を引き起こした人物なので、高く評価できない。ルネサンス芸術の都市ローマがドイツの新教徒傭兵たちにめちゃめちゃに破壊された事件です。ヨーロッパ中の知識人が嘆き、イタリアがヨーロッパの重要な地域ではなくなった事を象徴する事件でもあります。イタリア・ルネサンスの死であったと言ってもいい。
 ルネサンス期と呼ばれる中世末期のイタリアの歴史は面白く、そして切ないです。その残照であるヴェネツィア共和国がナポレオンに滅ぼされる末路も、物悲しくも祭りの終わりを感じさせて。その後の統一イタリア王国ファシスト・イタリア、現代のイタリアは、ルネサンス期までのイタリアほど愉快ではありません。
 良くも悪くもメディチはイタリアの歴史に大きく関わった一族だったんだなーっと、改めて思いました。・・・フランス王妃を二人出しましたけど、それはフランスのお話ですからwww