鼻水で溺れそう

 この季節は毎日ですから。
 さて、鎌倉幕府の滅亡原因の話ですが、二つ目は、鎌倉幕府の訴訟に対する姿勢、ですかね?不真面目、という訳ではなく寧ろ逆で、原告、被告ともに出せるだけの資料を出し、状況を全て調べ、どちらの主張に理があるか非があるか、という事を判断する、というもの。当時としては良心的です。たなみに判決に強制力はないです。自力救済の世界だから。
 ところがその調べつくして判決を下すという裁判方法、大変いい方法に見えるのですが、ええっとですね、裁判という者は時間と金を食うものなんですよ。争っている両者の主張と証拠を調べて判断を下すって言ってもね、現在でも民事訴訟で決着漬けるのに一年以上かかるのは、まぁ当たり前なんですよ。各都道府県所在地に地方裁判所がある現代でもそうなら、京の六波羅と鎌倉にしか裁判を行う場所がない鎌倉時代ならどうなるか?地方出身者は、まずそこまで出かけなければならず、判決が下るまで何日も京や鎌倉に滞在したり、地元と京、鎌倉を往復しなければならない訳ですよ。莫大な金と時間がかかりますよね。それで判決が下ったところで強制力はないから、例えば土地の使用権争いでも勝訴した方が現在土地を占有していない方ならば、取り返す為に実力行使をする他ない訳ですよ。
 裁判に勝っても正当性は得られるけれども、土地が自分の物になるとは限らない。しかも判決が下るまで、長い時間がかかるという・・・え?
 こういう不服は、体制そのものを打倒する主な理由にはならないかも知れません。しかし圧倒的な武力を誇る『無敵』の鎌倉幕府がなかなか勝てない状況に陥ったら?そして戦争が長引く事によって軍事負担が耐えられない程になったら?何かのきっかけを与えられれば、誰かが走り出せば、幕府、倒せるんぢゃね?と思っても不思議ではない訳で、自分たちに負担ばかり押し付ける、非効率な体制ならば、変えた方がいいんぢゃね?と考えてもおかしくないと思った訳ですよ。
 何故そんな事を思いついたかというと・・・はい、続きは次回(え?