ようやく読了

 読み終ったのはコレ。

 長かった。SFの中にサイエンス・フィクションだけぢゃなくて、『すごく不思議』も入っているし、場面転換だけぢゃなく時代も変わるし、ところが同じ人物がコールドスリープから蘇ったとか、転生したとか、そういう事の繰り返しなので、把握するのに時間がかかったもので。
 一応、この話で何故シリーズが『航空宇宙軍史』であるのか理解できます。最初から軍事衝突、いや敗北必至の恒星間戦争を戦い、勝つために組織され、そして結局傲慢→焦りからくる事故の発生が相手側よりも多く起こり、相対的な国力、人的資源をすり減らし、ついには太陽系に戦略兵器を持ち込まれ、地球を人質にされた形で敗北するという。
 ただそこまでは流れとして説明されるだけで、決定的、一方的な敗北までが詳細に記述されているだけです。物語の本質はそこではないので。
 著者は海外青年協力隊にも参加した事がある設計関係を本業とされている方です。知っているのはネパールのカトマンドゥに赴任した事があるという。そのせいなのか、あるいは仏教的な背景が元からあったのか、物語には転生、輪廻、あるいは死んでしまった人々の意識体の集合など、そんな雰囲気のものが詰め込まれています。
 つまり、人は過去を変えようと努力するけれども、過程はどうあれ、同じような結末にたどり着き、同じように『航空宇宙軍』が敗北していくという。まぁそこに哀惜はないのですが。 
 『航空宇宙軍』という組織自体が個人の事情、プライベートなどを踏みつぶし、破壊し、ただただ敗北したくない、歴史を改変する為に、結末を知っているものからすると無駄な足掻きを繰り返していくという・・・
 最初からもう敵対勢力ありきで行動していて、あかん組織だからなぁ。
 ところが続編が出ているのですよ。購入しているのですが、恒星間戦争になる前の、太陽系内での紛争を描いているらしいです。第二次大戦をモチーフにしているのですが(第一次外惑星動乱もそれっぽかった)、さてはてどうなのか。その前に、色々とやらなきゃならん事があるので、そっちを片してからにしてます。