武田氏年表
まぁなんとはなーしに読みました。二度読み目かも知れないのですがね・・・
- 作者: 武田氏研究会
- 出版社/メーカー: 高志書院
- 発売日: 2010/02/25
- メディア: 単行本
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確かに鎌倉期以来甲斐源氏の本家筋として存在するのですが、なんかね、甲斐よりも戦功で得た安芸、室町期になって一色氏より強奪(したようなもん)の若狭の方を重視していくのですよね。安芸は瀬戸内海の拠点。若狭も日本海交易の拠点であり京への経由地であり、そして京に、中央政界に近いという事もあり、鎌倉府への最前線という甲斐に比べれば安定した地域でしたから。
つまり甲斐の武田氏は、そんな経済、政治において有利な土地に移っていった同族をよそに苦闘を繰り広げ、そして大大名になりおおせ、織田家との戦いの中、敗れ去ったという・・・
年表という形式を取っているので、その経過が解りやすいです。そして武田勝頼という男は決して無能ではなく、強いて言うなら父信玄以来の、戦略的な不定見がなした滅亡ではないかと思うのですよね。結果論ですが、関東北条氏との同盟を維持していれば、あれほど脆く滅亡する事はなかったかも知れませんが、政治的判断というのは何が正しかったのかは一概には言えませんからねぇ。
そんな本です。