『老害』を意識した

 普段はあんまりそんな事を意識したりしません。TRPGにPLとして参加する場合、だいたいにおいてGMの描くシナリオに対し「そういう物語なのだな」と理解して、それを楽しむようにシフトするからです。
 ただ個人的な好みとしては予定調和の物語は先読みができてしまい、あまり好きになれません。格好いいセリフを言うつもりもありません。それを楽しむ人の好みを否定するつもりはないし、楽しんでいる事に水を差すつもりもない。人それぞれの好みがある事ですから、楽しめばいい。
 しかし自分がシナリオを作成する場合は、やりたくないし、したくない。なるべく人の意表を突きたいし、肩透かしを食らわせたいとも思う。まぁそれで計算されていないダメダメなシナリオになる事もしばしばですが、それでも一旦つくってしまったらあんまり手を加えないし、そのままやってしまいます。
 もちろん作法、作成規定に従ってシナリオをつくるという事は、一定水準の物語を保証している訳であり、それはそれでありだと思いますが、自分は上記の理由でやりたくないです。
 そんなシナリオを楽しめるという人は、手練れか、どこかぶっちぎれた発想の持ち主かも知れません。たぶん自分はそういう踏み外した発想をPLに求めているのでしょう。それが敷居が高い事は重々承知しています。何もできないままに終わってしまう可能性さえあるでしょう。その場合はGMである私がある程度示唆するなりして誘導するか、何かの発想のきっかけを与えられるか、それも賭けではあるのですけれども、その行為自身が自分には楽しいのです。
 おそらくこういう考え方がTRPGにおける第一世代の『老害』と言われるものなのでしょう。初心者にはとっつきにくいに、聞くだに恐ろしいものです。コンベンションでも敬遠されるでしょう。
 しかし自分が深淵というTRPGでやりたい事はまさにそれであり(そうでなかったらD&D系のゲームをやってる。やる事が決まっているし、手慣れているから。準備が大変なのでコンベンションに持っていくには工夫が必要ですが)、やはりその方向でシナリオをつくり続けるのでしょう。
 だからこれからアタクシのシナリオ紹介には次の一文をつけます。
 『FEARゲーロジックがお好きな方には違和感、不快感を覚えるかも知れませんので、ご遠慮下さい』
 人様に不快感を与えるならば、立卓しない方がマシというものですからの。