昨夜は映画をみたので

 『六月燈の三姉妹』という日本の映画を、相変わらず録りおきしておいたので見ました。主演の女優さんが割と好きなので・・・演技というか、顔立ちとかが。コメディと書いてあったので見たというのもありますね。まぁそれなりに面白かったです。舞台が鹿児島なので、そういう雰囲気満載。
 まぁそれはさておき、読んだもの。

 この本を読むまでのイメージは『智謀の人』『慎重居士』『筆まめ』でしたが、毛利家という戦国大名の『国家』となると、漠然たるものしかありませんでした。
 毛利家は安芸の国人領主の一つであり、南北朝の騒乱期より守護とは別に領主連合を組み、軍事行動を行っていました。毛利家はその盟主になったり、それに次ぐ勢力になったりという家柄。元就が家督を継いだ頃に盟主であった高橋氏を滅ぼし盟主の座につき、尼子、ついで大内に従い影響力を拡大。陶晴賢の謀反に加担し、さらにそれを滅ぼし大内氏になりかわり、北部九州やら出雲やらの勢力と戦い、最終的に織田家との戦争を何とかやりすごし、豊臣政権に加わり、関ヶ原の合戦で負け組に入るも、何とか幕末まで存続し、討幕勢力の一角となります。
 その毛利家、最大で二百万石近い領地を持っていたからさぞかしと思ったら大間違い。内実は、ずっと、ずっーと火の車で、年貢を担保に商人から借米、借銭つまり借金をしてしのぐという自転車操業。戦争で征服したら領地を与える事ができますが、防衛戦や敗北では恩賞を与える事ができない。つまり、瀬戸内海の海運を握っている訳ではないので経済的に豊かとはいえないのですね。
 元就が子の隆元に家督を譲ったのも、郡山防衛戦と富田城敗北で家臣の不満が高まった為、自分が隠居してやり過ごすという、よくあるアレです。
 大国になっても綱渡り的経営は変わらず、息子隆元が元就が隠居してもらっては困ると泣きついたのも、元就でなければ運営できない、それほど人材がいないという事の裏返しでもありました。
 これは織田家と比較してしまいますね。交易都市をピンポイントで支配下におき、矢銭という臨時課税で軍事費をねん出していた織田家の経済力が、どれだけの威力を持つか解ります。もちろん、織田家の税収の実態は記録が乏しいので解らないというのが実情ですが、瀬戸内海の交易利益が『水軍』のものであった毛利家の財政状況が自転車操業というのは驚きでした。だから関ヶ原の合戦でも中央の政局ではなく、辺境の領地拡大を望んだのかな。解りやすいからな・・・勝って主導権を握れば、領地なんて取り放題だけど、その発想はなかったという事かな。
 面白かったです・・・ちょっと読みにくいのが難点ですが・・・