今朝は二冊分

 昨日茶々が入ったから、今日は大丈夫。半年ぐらいは入らない・・・と信じたい。

魔道師の月

魔道師の月

 ハイファンタジー二冊目。今回は前回の話で月と闇と海の魔女が死んだ直後、兄妹みたいに学んだ魔術師が失意の旅をして貴重な本を(世界に一冊しかない本を!!)燃やしてしまうところから始まる。
 いや、本当は世界的な脅威が大帝国の宮廷に現れた事を、大地の魔導師だけが察知して逃げ出すところから始まるのですが。
 相変わらず過去と場所を自在に飛び回ります。そして問題の解決法も秀逸な感じ。ファンタジー好きなら一読の価値あると思います。この方の著作物は。
 そして二冊目は難いもの。
戦国時代の自力と秩序

戦国時代の自力と秩序

 とはいっても読み慣れればそんなに難い事もないです。主に中世の訴訟や土一揆についての考察。というか近世の一揆は強訴の側面が強く、中世のそれは訴訟の側面があるというのが驚き。武力行使が最終手段ではなく、あくまで自分の有利な条件を勝ち取る為の方法論に過ぎないという感覚は現代人とは異なります。だから敗北した武家を一族根絶やしには、あんまりしないのね。
 この意識は切支丹一揆である島原・天草の乱でも同様であり、鎮圧側も反乱側も同じ意識を持っていたようです。ただし、日本の宗教との共存ができない切支丹は治安を乱す存在であり(寺社仏閣の破壊行為はねぇ・・・)、また名のある侍に率いられない一揆集団は和睦が成立しない場合は、根切り(全滅)させたのは、やはり問題解決にそれしか残されていないと両者が判断したからでしょうかね?
 だいたい戦闘の首班を殺す事で戦闘を停止する習わしがあったよな気がするのですが、首班がいない、あるいは複数存在する一揆では、それらを全滅させないと結局勝利とはみなされなかったのかもしれません。
 和睦がならなかった一揆集団は、だいたい根切りにあっており、これは信長が長島や越前の一向一揆にやった以外にも、毛利が周防に攻めた時、国境付近の一揆を殲滅した時もそんな感じです。
 一揆は全員が責任者扱いだから、責任者全滅、という意識なのかね?そんな事を思いました。