細かいところは残っています

 しかし昨夜なんとか編集は終わった・・・かも?まぁ色々訂正を入れたりもしますが、一区切りついたかな。これで姪っこズが来襲しても迎撃できるわ。はい。
 そして昨日読み終えたもの。

人身売買・奴隷・拉致の日本史

人身売買・奴隷・拉致の日本史

 割とこの著者の作品は好きなので、見つけてしまったからには読まねばなるまいと借りました。といっても専門分野ではないので、研究成果の決算みたいなところがありますナ。
 奴隷というのは、日本国内では最終的には豊臣政権下で禁止されて制度としては終わりを告げました。実態はおそらく現代にいたっても根絶はされていないと思います。法律は基本的人権の保障を訴え、公になれば法で罰せられるでしょうけれども、借金の方で事実上、人身売買される例というのは、表ざたにはなっていない分、隠微にあるのではないでしょうかネ。
 また豊臣政権下が奴隷を禁止したのは、何も人道主義に目覚めた訳ではなく、奴隷は人の持ち物に過ぎず、納税者にならないからで、税収増加を目論む支配者としては、税を納める人間が多い方がよいに決まっていますからネ。
 戦国時代に世界に売られた日本人奴隷は、どちらかというと兵士として高い評価を得たようです。まぁ戦乱の時代を常態として生きていた人間だから、でしょうかね。
 しかし、数あるエピソードで一番救いようがないと思ったのは、秀吉の朝鮮半島侵略の際、略奪、略取された朝鮮の人々の、勧められて朝鮮に帰還した人々の運命。
 時代は徳川幕府になっており、二十年の歳月がたっています。その頃まで日本で生き残ったら朝鮮出身の奴隷たち、元奴隷たちは、それなりに日本での生活を確立してしまった人が多い。特に技能者は日本に定着し、日本に帰化した人も少なくないですし、結婚していたら本人はともかく子供たちは朝鮮の言葉を喋れない訳で、最初は帰還希望者が二百人あまりしかいなかったとのこと。
 これではあかんという事で、色々勧めてなんとか一千人ぐらいにまでなったらしいですが、ところが朝鮮の方は帰還させるのは面子の問題で熱心だけど、その後の生活となると十日分の食費を渡すだけでおしまい。最後の方は五日分のみ渡しておしまい。職業訓練とか再生活の斡旋とか、何もしてくれなかったという・・・。酷いのは女性の場合で、既婚者が帰ってきても夫はとっくに再婚しており、元妻は幽閉状態にされるばかり、と。
 在日の人が韓国、朝鮮に戻ると物凄い差別対象になるという話を聞いた事がありますけど、これはあまりに無責任な処置だなぁ。
 まぁ時代がそうさせたのであり、そもそも日本が攻めてきて拉致しなければ、とか言われそうですけど、それでもなんか温かみのない話だなぁ。それなら帰還など促さなければ良かったのに、とか思った次第。