影武者

 クロサワ映画で、資金繰りにコッポラとか外国の監督が協力したとか、前作より十年ぶりとか、興行成績が一位だったとか、そんな話題満載の作品ですが、三時間の長丁場だったんですね・・・昨夜のWOWOWで見たけど終わったのが日付が変わった頃ですよ。ふふふ・・・

影武者<普及版> [DVD]

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 こんなに躍動的な大滝秀治さんを見るのは初めて、とか、南蛮被れな信長像って何時ごろから演出され始めたのかな?、とか、『風林火山』部隊のネタはこの映画が初めてなのかな?とか、最後のシーンで馬がたくさん横たわって、もがいているのを見て、大変だなぁとか思ったりしました。
 二十年ぐらい前までの『定説』が全て入っていますが、今となってはスペクタクルとして見るばかり。途中くどいな、と感じる長いシーンもありましたが、全体としては三時間の長丁場を飽きる事もなく見る事ができました。
 影武者を演じる事になった処刑寸前の罪人が、たった一度信玄と会っただけで彼に心酔し、彼の遺言を果たそうと苦悩しながらも頑張り、そして一瞬の気の緩みから影武者である事がばれて放逐され、それでも武田家の行く末が気に係り、長篠の戦での大敗を目の当たりにして自身も絶望的な突撃を織田・徳川連合軍にして討ち死にするという最後。
 男が命を賭け、そして果たせず虚しく死んでいくというストーリーは、たぶん日本人的なものとしてこの先も好まれていくのかなぁ、と感じました。
 そして信玄の兵学を体得しているのが息子勝頼ではなく、天下を握る信長や幕府を開く家康の方であるというのが印象的。
 見ておいてよかったと感じました。